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「んね、ちょっとキスするだから。ね、ちょっと」
「あーー、天気がいいなぁ」
「ねぇ、ちょっと聞いてんの?」
だって面倒臭い。それに鬱陶しい。
むすっとしながら、勉強の邪魔をしてくる天月。
人のシャーペンで人のノートに何落書きしてんだよ。それに無視されてるから、むすっとするのはわかるけど、お前がとんでもねえ発言するからでしょうが。キスするのはなんか言葉で説明でないが、恥ずかしいだから、私はあまり好きではない。
「なんでそんなにキスしたいわけ?」
なのに、目の前にいる天月は私にキスしてくる。別に嫌というわけではないが、なんというか抵抗感がある。それに急にしてくるので是非ともやめてほしい。そしてとりあえず急にキスしていい?とか聞いてなるのもやめてほしい。臨戦態勢に入っちゃうから。
そんな意味を込めて、天月に質問をすると、天月はえ、どうしたの。と言うような表情でキョトンとしてから、口を開いた。
「え、だってA、キス好きじゃん?特に俺にされんの」
バキッとシャーペンの芯を折ってしまい、ノートが少しだけ汚れる。全くもって予想もしなかった返答で少しだけ動揺した。だってキスが好きかどうかなんて考えたこともなかった。いやむしろキスが好きかどうかなんて普通の人間は考えない。だから私は正常なのだ。というか、キスしたいだとか好きだとかそんなこと思うわけ…。
なんて、うーんと天月の質問の返答に対して頭の中で唸りながら思っていると、いつの間にか近づいた天月の顔がドアップで私の視界に入る。あ、待って、これキスされる。
「んじゃ、キスするね」
「は、え、ちょ、んむっ!?」
予想通りの行動に動揺の声と、待ってなんていう静止の声を上げることができずに見事に私はセカンドキスまで天月に奪われた。
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スピカ(プロフ) - わぁ、好きな作者さんがこんなに・・・! (2021年5月5日 13時) (レス) id: 990b6b3e69 (このIDを非表示/違反報告)
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