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・ 末澤side
今日は休日。といっても、まあだらけるだけの暇な日。
30分前にこじけんに送ったメッセージは、まだ既読がつかない。
せっかくなら杉沢先輩とデートに…なんて。先輩、今暇してるんかな？
仕事以外で先輩に会うのはなかったから、どうしても文字を打つのを躊躇う。
断られないやろか、とか
は？なんて一蹴されへんやろか、とか
不安材料はたくさんやけど、まあ、当たって砕けろや、と思い切って誘ってみた。
末澤誠也杉沢先輩、今暇ですか?
杉沢A暇だけど。なんかあった?
末澤誠也俺とドライブ行きません?ちょうどいいカフェ知ってるんです。
杉沢Aえぇ、今からなら30分くらいかかるよ。いいの?
末澤誠也大丈夫ですよ。
杉沢A分かった。待ち合わせ会社ね。
末澤誠也りょーかいです!
とんとん拍子に話は進んで、まさか行けるとは思わんかった。
杉沢先輩の私服も、なーんも見たことあらへんから尚更どきどきする。
少しだけお洒落して、会社まで車を走らせる。
杉沢 「 お、来たじゃん 」
この間の居酒屋のにやにや笑いを期待したけど案の定封印されとった。
それにしても…あまりにもかわいすぎひんか。
頭の先からつま先まで全身可愛すぎやん。
いつもの黒髪をお団子にして、白いTシャツに花柄のロングスカート。
上には偶然、俺の好きな色の薄い赤のカーディガン。
センス良すぎやろ。ギャップありすぎやん。
いつもの怖い顔してキーボード叩いとる先輩どこいったん。ってくらい。
杉沢 「 あんままじまじ見んといて 」
末澤 「 あー、すんません。ほな、行きましょーよ。 」
杉沢 「 失礼します 」
なに、この先輩。育ち良すぎ。軽くお辞儀して乗り込むとかもう貴族。
デート(？)開始3分で杉沢先輩のギャップが総力上げて殴ってくる。
杉沢 「 事故起こさんといてね 」
末澤 「 安全運転なので。ご安心くださいよ。 」
杉沢 「 そう言われても心配 」
末澤 「 なんつー先輩 」
いつもの如く冗談もそこそこに、俺は普段より慎重に車を走らせた。
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作者名：鈴川ゆら | 作成日時：2023年1月20日 21時
