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末澤 「 杉沢先輩、ちょっと。 」
杉沢 「 なに？ 」
末澤 「 ここなんですけど… 」
雑誌の日からはや3日。相変わらずの距離感で接してくれる末澤くん。
遊ちゃんはもっとグイグイいっちゃえ、なんて言ってくれるけど。
残念ながら末澤くんを異性として見るのは難しい。
2年も『 後輩 』とだけ見てて全然そんな事考えたこともなかったからなぁ。
末澤 「 ここ、どうまとめればいいか分からなくて。 」
杉沢 「 ここは…こうして、これをこっちに持って行って… 」
末澤くんの顔面との距離、3cm。
意外と綺麗な顔してんだな、と納得。
末澤 「 すご。ありがとうございます 」
杉沢 「 どういたしまして。 」
互いの肌が、触れるか触れないかの僅かな距離。
いつになくときめいたのは、遊ちゃんにも秘密。
◆
末澤くんを見ていて分かったことがいくつかある。
・ 笑顔が素敵
・ 遊ちゃんの彼氏くんとお友達
・ 絶大な人気(隣の席の人いわく"姫")
社内でかっこいいって囁かれてたのは知ってたけどまさか姫なんてね。
意外だよね。だって私の知ってる末澤くんはよく噛み付く狂犬。
でもみんなの中の末澤くんは"姫"で定着してる。
私だけ知ってる1面って…やつ？
かわいいなぁなんて口角がどうしても上がってしまう。
末澤 「 え…今杉沢先輩ニヤけてましたよね。きもちわる。 」
杉沢 「 おい末澤、それ以上言うとただではおかんぞ 」
末澤 「 はいはい、先輩美しいです 」
杉沢 「 露骨に機嫌取りに行くな 」
前言撤回。やっぱり可愛くなんてないわ。
恋愛対象よりかはお笑いコンビの相方的存在かな？
末澤 「 冗談のつもりじゃ…ないんですけど。 」
杉沢 「 え？ 」
末澤 「 いや、あの、ちょっとだけ、綺麗ですよって… 」
杉沢 「 んな、ばかばか(笑)年上からかいも程々に。 」
…可愛くじゃなくて、かっこいい、かな。
良くも悪くも、心臓に悪い1日でした。
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作者名：鈴川ゆら | 作成日時：2023年1月20日 21時
