ツンデレ上司のおとしかたいち (ページ34)

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なんか、胸のモヤモヤが晴れた気がした。

気持ちを正直に言うのは大事なんやな。

もう、吹っ切れたかも。

おかげで、午後は人生で1番と言ってもいいほど楽しかった。

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杉沢「今日はほんとに感謝感激雨あられ。超楽しかった。」

福本「どういたしまして。」

杉沢「良かったら今度こそサシで飲み行かない？」

福本「行く。」

杉沢「ん、良かった。」

福本「なぁごめん、も1個わがまま聞いて」

杉沢「えっ、ちょ、まって、」

俺の事を忘れていくAの瞳に、何か刻みつけたかった。

忘れるは過言やけど。もう、二度と手に届かない存在になってしまった彼女に、

最後、これで最後だからと、思いっきり抱きしめる。

甘い柑橘の匂い。思えば、俺がAを好きになった時もこんな匂いがしてた。

自分でも知らないうちに、力がこもっていたらしい。

しんどいしんどい、って背中を叩かれてようやく、Aから離れた。

杉沢「 …もう。これで終わり、ね？」

福本「ん。もう引き摺らん」

杉沢「これからまた、大親友としてよろしく。」

福本「こちらこそ。」

杉沢「よし、じゃあ運転手、家まで送って」

福本「扱い雑なのは変わらんの！？」

これで本当の、失恋。でも、もうこれで良かった。

窓の外に光る星たちも、そう言っているように、きらきら輝いていた。