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47-1 タケミチsaid ページ35

「その証拠がこれ」


そう言ってA君が出したのは一つの缶箱だった。


「缶?」


「何コレ?」


「真兄の遺品整理した時に出てきたんだぁ」
「相談して、Aに持っててもらってたんだ」


中身を空けてみると大量のハガキ…手紙の束がいくつも連なっていた。


「黒川イザナからの!?」


缶の中身を改めて見れば、ぎっしりと手紙の束が詰まっている。


「もしかして…この缶の中の手紙…」
「全部黒川イザナの!!?」


「うん…目は通してないけど」
「この手紙の量!そーとー仲良しでしょ!」


「…仲良し…っていうか」
「ちょっと怖ぇな」


Aさんは「出かける」といって部屋を後にした。
オレ達は手紙の内容を読むことにした。


「どお?なんかわかった?」


「今日何があったとかそういうのばっかりだ」


「これが一番最初の手紙だ」


「え?」


「"拝啓 真一郎様"」
「"この前は訪ねてきてくれてありがとう"」
「"家族がいて嬉しい"」


その言葉で真一郎君から会いに行ったんだと確信した。


「きっとどっかでイザナの存在を知ったんだろうな」


オレが読んでる手紙にはA君の名前もあることから、
すると別の手紙を読んでいたマイキー君が「なるほどね」と言葉を漏らした。
マイキー君は読んでいた手紙を置き、立ち上がる。


「ちょっと風に当たってくるわ」


「え?」


マイキー君は上着を着て、部屋を出た。
すぐにバブの排気音が聞こえた為、走りに行ったんだと感じた。


「どうしたんだろう?マイキー君」


「"拝啓 真一郎様 A様"」


ドラケン君がマイキー君が読んでいたであろう手紙を読みあげる。


「"最近、ずっと頭が痛い"」
「"苦しい"」
「"きっとアイツのせいだ"」
「"万次郎の話はもうしないで"」


ゾクッと背筋が凍るような感覚がした。


「………黒川イザナは幼くして家族に捨てられた」
「そして初めて自分を訪ねてきてくれた真一郎君っていう家族…」
「そして、いつの日か紹介で連れてきたであろうA…」
「それらがコイツの唯一の支えだったとしたら」
「マイキーをどう思うんだろう?」


「(たしかに)」
「(真一郎君から黒龍(ブラックドラゴン)を受け継いで)」
「(だけど黒龍(ブラックドラゴン)はマイキー君の為に残したと言われた時)」
「(黒川イザナは何を想ったんだろう?)」

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年10月21日 20時

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