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40-2 タケミチsaid ページ21

東卍(トーマン)ってよー」


奥から黒髪辮髪の大男が何かを引きずる音を立てながらやってきた。


「5つの部隊でできてんだろー?」


「(なんだ?コイツ…)」


「あと4つも同じ感じか?」


ソイツの手には見覚えのあるシルエットの服のフードを掴んでいた。


「チョレェな、東卍(トーマン)!!」


ソイツは掴んでいた人をこちらにぶん投げた。


「千冬!!?」


「新宿の方で弐番隊の奴とカチ合ったって連絡が入った!」
「オレはそっちに向かう!」
「こいつらは二度と歯向かえねぇ体にしてやれ!」


ギロッとソイツは睨んできた。
山岸は「やっぱり来るんじゃなかった」とか言ってる。


「いいか!"鶴蝶"の野郎が出る前に東卍(トーマン)をぶっ潰す!」
「手柄は全部"望月隊(ウチ)"が搔っさらう!」


襲ってきた集団が雄叫びをあげる。


「テメェら"望月隊"にココの後始末を任せたぞ!」


『うっす!!』


大柄の男は立ち去り、逃げ道を塞ぐように"望月隊"と呼ばれた集団に囲まれる。


「(こんなズタボロのオレらに何人かけんだよ、天竺!?)」


そんな時だった。


「な、なんだコイツ…!?」


「は、はえぇ…!!」


どこからか殴る音と倒れる音とごちゃ混ぜに聞こえる。
そして、オレの目の前にいた奴に飛び蹴りがキレイに入った。


「…無事か?」


現れたのはA君だった。
しかし、A君はオレを見るや否や盛大な舌打ちをした。


「(舌打ちぃー!!?)」
「(どんだけ嫌われたのオレ―!!?)」


「次から次に面倒事起きやがって…」


普段のA君じゃ考えられない程イラつきを顕わにしていて、余計に怖さが増していた。
A君は千冬に近づき、ペチペチと頬を叩く。


「気絶させられてんな…」
「まぁ、もうすぐ目が覚めるだろ」


再び立ち上がったA君は辺りを見回す。
すると、集団の外側から叫び声が聞こえた。


「今度はなんだ!?」


「バイクが突っ込んできたぁぁ!!」


逃げ惑うその後ろから、バイクの排気音が聞こえてきた。
バイクは問答無用で赤い服の集団を轢いている。


「目黒の"ツインデビル"だぁぁぁ!!」


「逃げろぉぉ!」


「轢き殺されるぞぉぉ!」


「助けてぇぇ!」


「死ぬぅぅ!」


そして赤い服の集団を轢きながら、オレの目の前で止まった。


「よう!壱番隊」


「(え!?)」
「(この人って、肆番隊隊長の河田ナホヤ君!?)」

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年10月21日 20時

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