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37-3 現代タケミチsaid ページ14

手紙にあった住所をもとに目的地に着いた。


「ここだ」


そこはまったく手を付けてない様な廃墟だった。
日差しが当たっているせいか、どこか神秘的にも感じてしまう。


「(手紙には住所と一言)」


「1月20日 いつか話したあの場所で」という一言で、マイキー君だとすぐにわかった。
ここにいる保証なんてない。
でも、もし会えるとしたら初めてだ。
始めて現代(みらい)のマイキー君に会えると思うと早く会いたいと思いが強くなる。
なんとなくで進んでいる廃墟だが、こっちにいる気がする。


「すげぇ廃墟だな」


会って、何を話そう…?と考えて現状を思い返した。


「(変わってない?変わってないワケないじゃん!)」
「(みんなを殺してるかもしれないのに)」


現代(ここ)にいるのはオレの知ってるマイキー君じゃない。
12年経って変わっちゃったマイキー君かもしれない。


「(…勢いで来ちゃったけど、よく考えたらやなくね?)」
「(あった途端に殺されるかもしれない)」
「(いや!殺す為に呼び出したのかも!)」


そう思うと帰りたい思いが強くなった。
踵を返そうと後ろを振り向いた時だった。


「ここって…」


マイキー君が言ってた言葉と情景が一致する。
むせ込んじまいそうな灰色の空の下、天井ぶっ壊れた廃墟に大量のスクラップ――…。


「("いつか話したあの場所で"……)」
「(ここだ…!)」


大量のスクラップを超えた先の広間に出た。
この時にはすでに帰りたいという気持ちはどこかに消えていた。


「(マイキー君のお兄さんとA君が)」
「(CB250T(バブ)のエンジンを見つけた場所!)」


その場所に今オレはいる――…。
その事実に思わず感動してしまう。


「タケミっち?」


幻聴かと思った会いたいと思っていた人物の声がした。
オレは声のした方を振り向くと、大量のスクラップの頂点で座り込む今会いたかった人――…。
そして、その人はオレだとわかると綻んだ。


「(マイキー君……)」


そこには…あの頃と変わらない目をしたマイキー君がいた。

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年10月21日 20時

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