片手のないあの子【東リベ】3 (ページ28)

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44-1 現代ページ28

「テメェら…」
「東卍(トーマン)の兵隊ゾロゾロ引き連れて、何しに来やがった?」

「黒川の命令でテメェらを拉致しに来た」
「社長の捜索も手間が省けたな」

「こそこそ嗅ぎ回ってる警察のラットがいるっていうからよぉ」
「つけてみりゃ元上司二人とご対面だ」

「元東卍(トーマン)の壱番隊隊長」
「花垣武道」
「そして、元黒龍(ブラックドラゴン)十代目総長」
「柴大寿」
「黒川イザナを嗅ぎ回ってるオマエらは」
「東卍(トーマン)の敵と判断した」

「ハハ!!」

大寿が余裕があるのか笑った。

「テメェら如きが俺の敵だと!?」
「黒龍(ブラックドラゴン)にしがみつき続けた男と」
「黒龍(ブラックドラゴン)の財布だった男」
「イザナはテメェの心を満たしたか!?乾!!」
「今でも東卍(トーマン)の財布のままか!?九井!!」
「立場をわきまえろ、半端者のカス共」

大寿は九井と乾の前に立ち塞がる。

「…花垣」
「Aを連れて裏から逃げろ」

相手に聞こえない様にこちらを見ながらそう告げた。

「さすがに分が悪ぃ…」

さすがの大寿でもこの大人数には敵わないと感じており、冷や汗をかいていた。

「橘ナオト」
「八戒の死の真相を暴いてくれ」
「俺は佐野がやったなんて思ってねぇ」

大寿はタケミチと橘ナオトをそれぞれ見た後、再び東卍(トーマン)へと目を向ける。

「どうやって佐野の懐に入ったか知らねぇが」
「裏には絶ッ対ェ黒川イザナがいる!」
「八戒の無念を晴らしてくれ」
「いいな!?」

タケミチは何も言わなかったが、橘ナオトは「ハイ!!」と返事した。

「行け!!!」

「…大寿君」
「色々と…ありがとうございます」

「昔の"仮"はこれでチャラな」

タケミチは橘ナオトの呼びかけに頷いて、「A君も!」と声をかけられ、何も言わずに後をついていく。

「待てコラぁぁ!!」

追いかけようとする東卍(トーマン)の連中の先頭を大寿が数人殴り倒す。
その一瞬で東卍(トーマン)の連中が怯む。

「久々にどついてやるかぁ」

大寿は上着を脱ぎ、戦闘態勢に入る。

「楽しませろよ、東卍(トーマン)!!」

「所詮、過去の男だ」

乾は警戒を解かないが、九井は余裕の笑みを浮かべていた。