19-2 タケミチsaid ページ6
「(いきなり乱戦!!?)」
前後左右どこに視線を向けても
場地君を探そうにも人が多すぎるのもあって見つける余裕が生まれない。
「うらぁああ!」
「いっ!」
殴られてふと見上げると、マイキー君と一虎君が相見えていた。
その奥には廃車に背を預けているであろうA君がいた。
「(A君…?)」
なんでそんなとこに…?
「よそ見してんじゃねぇぞコラぁぁ!!」
さっき殴ってきた奴がまた襲い掛かってきた。
「(ヤベぇ!!!やられる!!!)」
思わず目を瞑って衝撃に備えるが、それより横で倒れた音が聞こえた。
「………え!?」
「立て!タケミっち」
助けてくれたのは三ツ谷君だった。
「三ツ谷君!!」
「助かったっス!!!」
手を差し伸べてきた三ツ谷君の手を掴んで立ち上がったのも束の間、胸倉をつかまれた。
「バカヤロウ!!」
「い…!?」
「テメー、何しにここに来たんだ!?」
「今ぁ、オレら喧嘩してんだぞ?」
「おらあぁ!」と別の
「テメーも弐番隊の一員だろーが!!」
「!!」
「よそ見してんじゃねーぞ!!!」
襲い掛かってきた奴を三ツ谷君が返り討ちにした。
「(そうだ…)」
「(ここでやられちゃったら何もできねぇじゃんか!!!)」
ギリッとこぶしを握り覚悟を決める。
「(目の前の敵に集中しないと!!)」
そう思って顔をあげると、こちらを睨みつける
「(待て待て待て待て!!)」
「(目の前の敵?)」
底辺のオレが…?
本物の不良と喧嘩!?
「(無理だ、怖えぇ!!!)」
あまりの恐怖に思わず涙が出る。
「ビビってんのか?」
背後に誰か来てビクついたが、誰か来たのかすぐわかった。
「正面の敵だけ見てろ、相棒」
「千冬…!!」
「背中はオレが守ってやる!」
「喧嘩にビビんねぇ奴なんていねぇよ」
「大事なのはさぁ」
「どう向き合うかだ」
その言葉に自分のやるべきことを思い出した。
ぐっと拳を握り、襲いかかってきた敵を叫ぶがまま本能のままに殴った。
「やってやるぞ、バカヤロー!!」
この時既にオレの中からA君の事はすっかり抜けていた。
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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時