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32-3 ページ49

「クリスマスはね」
「兄貴と場地とAと走るって決めてたんだ」


「マイキー君」


万次郎は胸元から首から下げている場地が持っていたお守りを取り出し、タケミチに見せる。


「兄貴のバブ(形見)に乗って場地のお守り(形見)持ってさ」
「雪の中走ってたら、一緒にいる気がして」


「…形見?」


「兄貴も場地もAもオマエらも」
「みんなオレの(ココ)にいる」
「だからオレは強くいれる」


そう言いながら、胸元に置いた拳を見つめながら微笑んだ。


「………マイキー」


万次郎はお守りを直しこみ、改めてこの場にいるメンバーを見る。


「さあオマエら!」
「クリスマスは終わっちまったけど」
「みんなで走るぞ!」


「待てやコラぁあ!!」


大寿が声を荒げて俺達を引き止める。
大寿を見れば、乾に支えられながら立っているのがやっとの状態だった。


「まだ終わってねぇぞ、東卍(トーマン)!!」
九井(ココ)!!外の兵隊呼んで来い!!」
「外にいる黒龍(ブラックドラゴン)精鋭100人が相手だ!」
「テメェら全員ここから帰さねぇ!!!」
「ここで終わりだ!」
「オレは誰にも負けねぇぞコラぁあ!!」


今の大寿を見れば、ただの強がりにしか見えなかった。


「…大寿、黒龍(ブラックドラゴン)は強いよ」
「でも時代は創れねぇ」


「!?」


「オマエは喧嘩が強えぇだけ」
「心がねぇ」
東卍(オレら)は時代を創る」
「黙って見とけ」


口答えしかできない今の大寿だが、万次郎の言葉に何も言えなくなる。


「オイ、九井(ココ)!!何してる!!?」
「兵隊はまだか!!!」
「早くしろ!!」


一向に来る気配がなく、尚且つ九井は出入り口で立ち止まったまま。


「ボス…オレらの負けだ」


その言葉を聞いて、大寿は這いつくばりながら外にいるであろう兵隊達をみた。
しかし、そこに立っている兵隊は一人もいない。
それを知らない東卍(トーマン)のメンバーは外にいるであろう黒龍(ブラックドラゴン)100人とやりあう為に一同身構える。


「………身構える必要ねーぞ」


「へ?」


「外の黒龍(ヤツら)は全員ノシといた」
「万次郎に負けて兵隊も失った柴大寿は――戦意喪失」


「うん!」


「え?」
「え!?」


タケミチを始めとしたメンバーも外の景色を見た。


黒龍(ブラックドラゴン)はもう死んだ!」
東卍(オレら)の勝ちだ!」

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時

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