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12月25日 クリスマスの夜――…。


雪が降る寒い夜に、マイキーは愛機(バブ)のケツに俺を乗せ、気分のままに走らせていた。
寒いのが嫌いな俺はかなり着込んでいる。
真のバブ(形見)に乗って、場地のお守り(形見)を身に着け、"いつものメンバー"で聖夜を走る毎年恒例。


「なぁなぁ、A」


「ん〜?」


「さっき、三ツ谷のインパルスの音しなかった?」


「タカの?」


「そー」


周りに耳を澄ませるが、コールが上手いタカの鳴らすインパルスの音が聞こえなかった。


「悪ぃ、聞こえねぇや」


「そっか」


「つーか、そろそろ帰ろ」
「さすがに限界」


「ハハ」
「相変わらず冬に弱いな、Aは!」


そんな世間話を交えながら、帰路に着く。
しばらくすると、ケータイが震える。


「マイキー、電話―」


「おー」


近くの広場に止め、着信を見ればエマからだった。


「タケミチ?」


何故かエマはタケミチを探しているようだった。


「マイキー」
「エマがタケミチどこいるか知らないか?って」


「知らねぇよ」


「だよなー」
「エマ、一旦こっちで探してみる」
「見つけたらどうする?」
「タケミチの彼女さんの家の前ね」


それを最後にエマとの電話を切る。


「A」


「あぁ、戻ろう」


「さっきの音、やっぱり三ツ谷のインパルスの音だ」
「タケミっちも一緒かもしんねぇ!!」


タカのインパルスが向かう場所…思い当たるのは一か所のみ。


「マイキー、宇田川のキリスト教会」
「たぶん、そこ」


「………なんでわかんの」


「ちょっと、な…」


「ふーん…」
「まあいいや」


マイキーはバブ特有の排気音を鳴らしながら教会(そこ)へ向かった。


「あー、寒っ」


体を震わせる俺を他所にマイキーは辺りに散っている集団を無視して教会の中へ入っていく。
それを見届けると、そこにいた集団…黒龍(ブラックドラゴン)を見据える。


「さて、やろうか」
黒龍(ブラックドラゴン)


100人ほどいたであろう黒龍(そいつら)は10分もしない内に全員ノシた。


「全然あったまらねぇー」


そんな奴等を放っておいて、教会内に入るとマイキーが柴大寿に殴り倒されていた。
教会の中にいたのは、タカとタケミチ、千冬、八戒、そして乾と九井、柚葉だった。
そして、聖夜(クリスマス)を終わる鐘の音があたりに響き渡り、タケミチとタカのマイキーを呼ぶ声がかき消された。

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時

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