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「んで、話って?」
タケミチと千冬と話した次の日、メールをくれたもう一人…稀咲と路地裏で対面していた。
いつものように棒付きの飴を咥えながら、稀咲を見つめる。
「単刀直入に訊きます」
「Aさんは
「答えはノーだ」
「確かに
「かといって
すると稀咲は考える素振りをした後、「相談したいことがあります」と告げてきた。
それに思わず眉をひそめた。
「
「…聞こうか」
そう返答すれば、
しかしそれは、柴大寿を倒すことではなく目的はあくまで柴大寿を殺そうとしている八戒を止める作戦だった。
タケミチが八戒を説得役、残った千冬と半間、稀咲で柴大寿を食い止めるというもの。
そして、相談というのが幹部二人の阻止してほしいという協力要請だった。
「………謎だらけだなぁ」
「はい?」
「他の幹部が動かないとわかってるのに、何故俺に協力要請を出す?」
「口実を残すためか?」
稀咲を見つめる目を少し細めながら問いかければ、眉がピクリと動く。
「今の所、
「だからと言って、好き勝手動くのは違う話だ」
「今回の件に関しては特にな」
「………どういう意味ですか?」
「"邪魔者を排除する為の表の作戦"っていえばいいか?」
「他の幹部が干渉しないとわかった今、邪魔者を排除するにはうってつけの隠密作戦」
「この作戦を断る前提で俺に話し、作戦を知っていたのに参加しなかった俺のせいにするってか?」
ほんの少しだけ稀咲の顔が動いた。
稀咲との間に沈黙が訪れ、少しした後に稀咲がため息をつく。
「……そう推測した上でAさんはどうするんですか?」
「行かねーよ」
「は?」と反射的に声に出たであろう稀咲に思わずクスっと笑ってしまう。
それに気づいた稀咲はごまかすように咳払いをした。
「元より
「知る知らない限らずその日は断ってる」
「……一つ聞いてもいいですか?」
「どーぞ」
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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時