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27-3 現代タケミチsaid ページ35

警察に…ナオトに逮捕された俺はそのまま取調室で千冬が隠し撮りした動画を見ていた。
オレが上からの命令を施行させる為、アッくんを呼び出し、ある奴を消してほしいと告げた。
そして、二つ目の動画はオレがモノに当たり、部屋は荒れ放題の所だった。


「ナオト、もういい…」


「ボクたちは姉さんの事件に稀咲が関与した証拠を追っていました」
「この動画がその証拠です」


「もういいって言ってんだろ!!?」


ナオトの言葉を聞きたくなくて思わず叫んでしまう。


「松野千冬はこの動画を隠していました」
「彼は…君を庇ったんです」


オレの脳裏に映し出される血だらけのアッくんと涙ながらに笑顔を向けるヒナ。
その場に力なく崩れる。


「ハハハ…今度はオレなんだな…」
「オレが、ヒナを…………殺したんだな…」


ナオトは何も言わない。


「タケミチ君…君は利用されただけです」


「………もういいよ」
「もうヤダよ」


ぽつりぽつりと言葉が出てくる。


「何度目だよ……?なんも変わってねぇじゃん」
「むしろ、もっと悪くなってる……」
「オレがヒナを…っ」
「アッくんも!!千冬も!!みんな死んでいく!!」


今のオレは泣き喚くしかできない…一番自分がわかっている。


「場地君なんてもうどうやったって………っ」
「12年前の今日にしか戻れねぇんだから!」
「どうやったって助けられねぇんだぞ!!?」


「喚いて、なんになるんですか!!?」


すると立ち上がってるオレの目の前に立つナオト。


「辛いのは僕も一緒です」


「一緒じゃねぇよ!」
「オレはオマエの姉ちゃんを殺したんだぞ!!」
「もうやめようよ、ナオト」
「オレには何も変えれねぇよ!」


するとナオトが抱き着いてきた。


「ボクは君に救われた!」
「何もできなくなんかない!!」


ナオトの声が震えているのが分かった。


「僕の知っている最初の世界は」
「東京卍會に龍宮寺堅はいなかった」
「松野千冬も、羽宮一虎も、場地圭介も」
「誰もいなかったんです、タケミチ君」
「彼らの想いがなかったら、ここまで東卍(トーマン)に食い込めなかった」


ナオトは俺から離れ、両肩を掴む。


「彼らの想いを紡いだのは、君ですよ」


その言葉に思わずまた涙が流れる。


東卍(トーマン)を変えれるのも」
「姉さんを救えるのも、君だけなんです!!」
「最悪の世界を変えて下さい、タケミチ君!」

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時

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