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「来たんだ、」






声を掛けられるまで、私は自分が魅入っていた事すら気づかなかった。









振り返ると、今日も耳にたくさんのピアスをぶら下げたリナがニヤついていた。









『すごいじゃん』







私は言った。なんのためらいもなく、心からの感想が素直に言葉となってこぼれた。









「へへ、そうかね」








『そうかね、じゃないよ。これ、ずっと描いてたの?』







「うん。」









彼女はそう言って笑った。

晴れ晴れとしたその笑顔が、どれだけこの作品に魂を注いだのか、その証明のように思えた。









ほかの来場者から呼ばれ「はーい」と元気な声でリナは答えた。忙しそう。









せっかくだし彼女の画集を手に取り購入して、
『じゃ』と小さい声で呟いて邪魔しないようにそっと出口へ向かおうとした時、腕を掴まれた。









「A、あんたも描いてみれば」









リナは笑わず、まっすぐ私を見て言った。









「あたし、あんたの描く絵、わりと好きだったよ」









どっかで聞いた事あるようなセリフ、






そう思ったら、テヒョンだった。









いつだって私の描いた画の最初の鑑賞者だった。









「俺、Aの描く画、好きだよ。とっても綺麗」









屈託なく笑いながら褒めてくれるから、いつだって自信がない私はいつも彼の言葉に助けられていた。
そしてなにより、ただ純粋に嬉しかった。
















帰り道、弘大のホミ画材で二十号カンバスを買った。

沈んでいく夕日が私の頬を赤く染めていた。

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(プロフ) - 凄く良かったです。胸にぐっとくるものがありました。何回も読みます!凄く良かったです。ありがとうございます (2021年11月21日 16時) (レス) @page15 id: d2a12512fd (このIDを非表示/違反報告)
ぺち(プロフ) - あるたさん» 嬉しいコメント本当にありがとうございます、、!!励みになります~~~! (2021年8月14日 20時) (レス) id: 964b2b3787 (このIDを非表示/違反報告)
あるた(プロフ) - すごい好きです!!もっと伸びてほしいなあ、、笑 (2021年8月10日 13時) (レス) id: 501b064604 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺち | 作成日時:2020年8月14日 16時

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