【歌い手】私の全てを受け入れて。ver.A【大型コラボ】 (ページ7)

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だらだらしてたので朝ごはんを食べ終わったらもう十一時だ。お昼は遅めがいいね、と狭いキッチンを片付けながら笑いあった。

「俺はもう食べられるけどな！」

「それは坂田くんがやばい」

　食器を片付け終わると次は掃除、洗濯だ。

「「さいしょはぐっ、じゃんけんぽん！！」」

　勢いよくじゃんけんぽん。
　スイッチを押すだけの洗濯を取りたかった私は、思わずパーをそのまま万歳に変えた。

「えっやった！洗濯ね！！」

　坂田くんとのじゃんけんで勝つなんて珍しくない？有頂天になって舞いながら洗濯機の方へ。
　今日は彼が好む柔軟剤を使ってあげよう･･･なんて。

「毎回一番始めはパー出すってこと、そろそろ自覚した方がええんちゃうかなあ」
　
　そう呟いた彼の声、なんて知らずに。

　十秒で終わる作業を完了してリビングに戻ると、掃除機をかけている坂田くんの姿。

「寝室って終わった～？」

　ブォンブォンと唸るファンに紛れて、まだ手付けてなーい、と聞こえた。
　扉を開けるとひだまりそのものの香り。シャアッと鳴らして開けたカーテンは、眩しい日差しをかなり吸収していたらしい。

　窓を開け、布団を二人分ベランダへ抱え込む。
　ぱんぱんと軽くはたくと、こなれた早朝の温もりが出て行って、新鮮な太陽がまるごと入ってくる感じ。とても気持ちよい。

　風もよく通る今日の天気に合掌して、家中の窓を開けに走った。

「おっ、ええ風～～」

「でしょ～～？今日気持ちいいよね～」

　一段落ついたらしい、掃除機を消して腰を伸ばしていた坂田くんの顔が嬉しさとか爽やかさとかそういうのでぎゅううっと詰まって結果的に笑顔になる。

　うお、好き。

　ふとした瞬間のこういうとこ、好きで好きで堪らない。
　あなたが好きだしあなたの笑顔が好きだよ･･･って、おっと。

　無意識に口に出しそうになって、危ない危ない。

　簡単に言ったら、恥ずかしいじゃん。

　曖昧な笑顔を向けたとき、助け船でも出すように洗濯終了の合図が鳴ってくれた。