【歌い手】私の全てを受け入れて。ver.A【大型コラボ】 (ページ20)

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後ろから緩く笑みを浮かべたセンラさんが、私にじりじりと近づいてきて、でも私は逃げるように後ずさる。でもやがてそれも意味が無くなり、背中に後ろの壁が当たった。

｢……悪い子には、お仕置きが必要やね｣

｢や、やだ……来ないで、｣

センラさんが完全に私を見る目が捕食者となって、私はまるでライオンに追い詰められた兎の気分だった。身長が高いセンラさんが私に合わせて屈み、うっとり笑みを浮かべる。それはまさに恍惚の表情だった。

｢や、だ、｣

完全に泣き目になった私が、ずるずると壁に沿うようにして崩れ落ちていったのを合図にしてセンラさんは私を抱きしめた。

ぎゅっと強くて、恋人が抱擁するなんて生温いもんじゃなかった。これは私が逃げないように、囲う為の檻だと思った。

｢やだ、やだ、や、｣
｢あんまりヤダヤダ言うてると、口塞ぐで？｣

ひっ、と呼吸が止まって口に何かが当てがられた。それがセンラさんの唇だと理解するのに、さほど時間はかからなかった。

最初はフレンチから始まったキスは、センラさんと私の繋ぐ手が、絡まる度に強くなっていく。ねっとりなんて甘くない、呼吸さえも奪うような暴力的なキスに思考が奪われていった。

最後に仕上げをするように軽く吸われすたかと思うと、センラさんはその形の良い唇を今度は私の項に当てた。そのまま舌で、ベロリと舐めて、噛みちぎるように歯型を残した。

｢あ、ぅ｣

ビリビリと、脳天が駆け抜けるようなセンラさんの香りが直で当てられて、頭がくらくらする。その暴力的な香りに、私はくたりと力が抜けてしまって、そのままセンラさんの胸に体を預けた。

｢あとこれでしばらくは、一緒やねぇ｣

背中に回された手が、私の背筋を撫で付けるようにして上下に動いた。耳元でセンラさんの意地が悪い声が脳に溶けて、じわじわと侵食していく。

しばらくって、どのくらいだろう。

回らない頭で考えても、それは到底分からなかった。カシャンとまた首に枷が嵌められて、これでまた私は離れたくても離れられない、運命の檻に囚われることになる。

｢ずぅっと一緒、だってAが僕の運命やもん｣

錆び付く枷が、耳元でうるさく鳴った。