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you ページ10

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お客さんとしてブックカフェに入ると、オーナーが笑顔で迎え入れてくれた。


「今日は何飲む?」と聞かれて、私はいつも通り「ココアで」と答えた。


たまにはAちゃんにも、うちのコーヒー飲んでほしいななんて言われるけど、私はコーヒーが苦手なのです。ごめんなさいオーナー。


注文したココアが出てくるまで、何を読むか本を探す。
私は恋愛小説もすきだけど、ファンタジーも好きなんだよね。

パラレルの世界で有名人とお付き合いするとか、最高のシチュエーションだと思う。

あれ?これも恋愛小説か。


なんて一人で思いながら、新しい本を手に取り席に座る。するとちょうどのタイミングでオーナーがココアを持ってきてくれた。

「クリームもサービスでのせといたから」

と耳打ちしてくれたオーナーに、ありがとございますと笑顔で言う。




しばらくココアと読書を楽しんでいると、遠いところから聴いたことのある曲が流れてきた。
バラード調のそれは、静かな店内にも溶け込むようで心地がよい。



あれ、この曲なんだったっけ。


どこかで聴いたことがあるそれは、確か・・・・・・。
本を片手に考えていると、それは私の記憶を駆け巡るようにして思い出された。


「あ!!!」


大きな声とともに急に立ち上がってしまい、周りのお客さんに冷ややかな目で見られる。
いけない、ここはブックカフェだ。

少し離れたところでオーナーがきょとんとしている。


すみません・・・・・・といいながら、慌てて本を棚に戻しココアを飲み干してから店を出た。


私は音がする方に向かって走り出していた。






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作者名:yurameku | 作成日時:2020年6月29日 15時

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