今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:3,008 hit
小|中|大
you ページ48
.
ステージの上でキーボードを前に立っているのは、確かにユンギさんだった。
周りの観客はストリートライブで話題の彼に気づき、歓声をあげていた。
私は驚きのあまり、それをただ見つめることしかできなかった。
ユンギさんは何も言わずに、キーボードを弾き始めた。
イントロの開始とともに、観客の声が静まる。
たくさんの人が居るホールで響く彼の歌声は、街で聴くそれとも、CDにレコーディングされたそれともまた違って、ひどく幻想的に感じた。
離れたところかれでも確認できるほど白い彼の手が、見慣れたキーボードの上を流れるように動く。
ユンギさんは以前私に少し聴かせてくれた新曲は演奏せずに、いつもの二曲をフルで演奏した。
演奏が終わると、静かだった聴衆が声を上げる。
初めて彼の曲を聴いた人も、聴いたことがある人も皆、彼の音楽に感動しているようだった。
私もその一人だった。
スタンディングオベーションとともに、そのイベントの幕が下りた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
8人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yurameku | 作成日時:2020年6月29日 15時