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you ページ43
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すると何かが私の頭に触れた。
少し驚いて横を見ると、ユンギさんが私の髪を触っている。
え、なに、なになに。
驚いて喋ることができず、そのままユンギさんの顔を見ていると、彼はその手を下ろして持っている物を私に見せつけた。
「葉っぱついてた」
ユンギさんはその葉を片手に持って揺らす。
夕方の風がさらってきた葉を、彼は見つめている。
もし、よかったらなんだが、という前置きをしてユンギさんは言った。
「前に少し聴かせた曲が完成したら、一番に聴いてくれないか」
ユンギさんはこちらを見ない。
夕日に照らされているからなのかもしれないが、彼の耳は深紅に染まっていた。
きっと私の顔も、同じ色をしている。
一呼吸置いて、もちろんです、と私は答えた。
ユンギさんはそれを聞いて、嬉しそうにはにかんだ。
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作者名:yurameku | 作成日時:2020年6月29日 15時