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ランチを済まし、店を出る。

時計を見ると午後四時を過ぎていた。
話が想像以上に弾んでしまい、思っていたより長く滞在してしまっていた。


今から何かをするには時間が微妙だなと思うが、まだ帰りたくない。

ユンギさんの表情を窺うと、彼はそんな私に気づき視線を合わせた。




「この後、行きたいところあるか」


と彼は言った。

私はどうにかしてデートスポットを自分の脳内から発掘しようとする。
そもそもデートという行為自体が久しぶりすぎて、最近のカップルがどんなところに行くのか検討がつかなかった。

でもこのまま帰るなんて絶対にいやだ。

そう思いながら検索をしようとスマホを取り出すと、ユンギさんが口を開いた。



「もし何もないなら、着いてきてくれないか」









ユンギさんの言うとおり、彼の後ろを着いていくと、到着した場所は駅ビルの裏の駐車場だった。


ん? 駐車場デートなんてあるの?? と馬鹿なりに考えていると、彼は一台の車の前で立ち止まった。



「これ」


車の鍵を取り出し、助手席の扉を開ける。
車に疎い私にもわかる。この車種はかっこいいやつだ。


スマートすぎるその仕草に呆気をとられていると、彼が少し慌てて言った。


「あ、ドライブはさすがに早かったか」



そう言いながら扉を閉めようとするユンギさんを慌てて止める。


「いやいやいやいや、ぜひご一緒させてください!」


そのままもう一度ユンギさんが開けた扉から車に乗る。
広めの真っ黒なシートに腰を沈めると、反対側に回り込んだユンギさんが運転席に座った。

エンジンをかけ、シートベルトを締めてハンドルを握る。
そんな一連の動作も様になっていた。



そのまま二人とも何も言わないまま、車は発進した。






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作者名:yurameku | 作成日時:2020年6月29日 15時

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