ウンミョン(original yoongi) (ページ11)

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you ページ11

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あの曲だ！！あの人がそばにいるんだ！！！

フルフェイスの彼の曲が聞こえてくる方向に一心に駆け出し、探す。

いつぶりだろう、こんなに走るの。

息が上がり、曲がり角に差し掛かったところで、大きな拍手が聞こえてきた。

急いでそちらに向かうと、どうやらすでに演奏は終わってしまったらしい。

残念･･････。ようやく聴けると思ったのに。

以前と同様、小さな声で「ありがとうございました」という彼はすぐさまキーボードの片付けを始めた。

彼の横を見ても、前のダンスグループのように看板のようなモノはなく、彼の情報がわかるものは一つも見つけられなかった。

片付けを始めた彼を確認し、立ち去っていく群衆をかき分け、彼の傍へ向かう。

彼との距離が五メートルほどになったところで、ふと私は立ち止まった。

あ、これ、話しかけてもなんて言えばいいんだろう。

あなたの曲が好きです。名前教えてください。とか言うの？

そもそも顔を隠し、名前も明かさずに演奏している時点で、聞いても答えてくれないことなんて明らかだった。
恐らく彼はほかのパフォーマンスグループと違い、有名になりたくて歌っているのではない。

ただ誰かに聴いてほしい、気付いてほしいだけなんだろうなぁ。

そう思い一歩後ずさったところで、フルフェイスの彼が顔を上げた。

そして彼が私の存在に気付いたのが、マスク越しにもわかった。

そして彼がこちらを凝視したまま固まったのも、私にはわかったのだ。

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