僕はどうしようもないクズだから【推しの子】【騎士A】 (ページ11)

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お客さん「ゆあんちゃん今日もかわいいねぇ〜！」

『ありがとうございます！！！』

お客さん「ルイ１３世入れちゃおうかな〜」

『え〜いいんですか〜？』

お客さん「もちろんだい！すんませ〜ん！！」

店長「どうなさいました？」

お客さん「ルイ１３世2本！」

店長「かしこまりました！ルイ１３世2本入りまーす！！」

他のキャスト「よいしょー！」

『ありがとうございます〇〇さん！』

お客さん「いいっていいって！ゆあんちゃんにNo.1になって欲しいんだわ」

そのためには、僕が頑張らないといけない。

そのお客さんはそんなことを言っていた。

『私もNo.1になれるようにいっぱい頑張りますね！』

そんな会話をして、飲んで、フェリコを入れてそのお客さんは帰って行った。

次の日の夕方だった。
その方が働きすぎで倒れたらしい。倒れた時に頭を打って亡くなった、と。
その方の奥さんらしき人がメールで教えてくれた。

私のせいだ。私のためにいっぱい働いてくれてたんだ。だから倒れてしまったんだ。

殺してしまった。人を殺した。

“人殺し”、“殺人犯”。父親と母親に言った言葉が脳内をよぎり続けた。

しばらくは働く気にもなれなかった。

“ゆあんちゃんにはNo.1になって欲しいんだわ”

やらなくちゃ。あの人のために、No.1にならなくちゃ。

それから、狂ったように働き始めた。

…あの日までは。