魔天使マテリアルエピソード2nd ～揺らぐ陽炎～ (ページ9)

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3.姉としてページ9

「…ルナ…さん…」

陰口の当事者が出てきて、流石のユリカも勢いが削がれたようだ。

「私のことをなんと言おうが自由だ。けど」

ルナは真っ直ぐにユリカを見据えた。

「リオを傷つけるやつを私は許さない」

「う…ぇ…」

ルナの意思の強そうな瞳と言葉に怯え、ユリカは泣き出してしまった。

ルナは自分の教室に戻ろうとしたが、先生の

「どうしたんですか！？」

という声に阻まれてしまった。

「チッ……」

ルナはイラついて舌打ちした。

☆ ☆ ☆ ☆

その日の放課後、リオはルナと共に帰路についていた。

「あのさ、姉ちゃん…朝はありがとう」

「いや、いいんだ。あんな口うるさい教師さえいなければ、もっといい気分で帰れたのにな」

それから、少し考えて付け加えた。

「こっちこそ、アーターとの戦いで助けてくれてありがとな」

あまり覚えていないこともあり、リオは曖昧に頷いた。

「この世に神はいない……それなら、私がリオを守る」

リオは自分と姉が随分違うことを改めて思い知った。

そして、姉が誰より自分を大切にしてしることも＿＿＿……