魔天使マテリアルエピソード2nd ～揺らぐ陽炎～ (ページ4)

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2.悪夢が明けてページ4

「姉…ちゃん？」

「リオ！」

リオが目を開けると、windmillの部屋の中だった。

「リオくん、よかったぁ」

ルナがそばにいて、サーヤが部屋の出口近くに立っている。

「リオ…起きたのか。よかった」

「コーヒーだ。飲むか？」

そこにレイヤと伊吹が入ってきて、安心した顔をする。

サーヤとルナのために作ったらしく、温めた夕食を持っている。

(夕食？)

「僕っ！どのくらい寝て…」

「今はあの夜から１日。今が８時過ぎだから、丁度１日だな。私が起きたときにはリオと湧希が倒れていて、私が連絡したんだ」

ルナが答え、逆に質問してきた。

「それで？あの後どうなった？あの…アーターとか言うやつは、倒したのか？」

「…アーター…あいつは…」

自分でも覚えていない。

(何があった…？)

けれど、ルナも自分も助かっている。

そう考えてリオは

「倒したよ」

と答えた。

余計な心配をかけたくないと思ってのことだ。

「そうか…」

ルナは何か答えを探すように視線を巡らせたが、レイヤとサーヤは

「よかったぁ」

「そうか、わかった」

と素直に頷き、

「柊会に知らせてくる」

と、伊吹が部屋から出て行った。

(どうして覚えていないんだ？アーターはどうなったんだ？)

リオは静かな部屋で考えを巡らせたが答えは出ない。

程なくして流音や湧希達が慌てて店に入ってくる音がして、リオの考えはかき消えた。