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Side宮近
本番のステージに上がっても、やっぱり完全にいつも通りとはいかなかった。
少し振りのタイミングがずれたとか、ターンでふらついたとか、ミスに気づくたびに思い通りに動けない小さなイライラがちくっと胸を刺してくる。
そんな俺に、多分メンバーはかなり気を遣ってくれたと思う。いつも以上にアイコンタクトを取る瞬間が多くて、俺を安心させようと必死なのが伝わってきた。
海人のグーサインに頷いたり、元太の変顔に吹き出しそうになったり。俺はメンバーの優しさに助けられながら、最後までステージに立ち続けた。
ありがたいことに会場はかなり盛り上がっていて、最後の曲が終わると耳鳴りの向こうから大きな歓声が聞こえてきた。ステージを降りると、スタッフさんだけじゃなくて他の出演者の人が次々話しかけてくる。
感想を言ってくれたり、そのまま一緒に写真を撮ったり。毎度日本とは違うフランクな感じに驚かされるけど、今日はそんな余裕もない。
相変わらずキーンと響く耳鳴りは続いてるし、足元はずっとフワフワしていてもうまっすぐ歩けない。とっさに壁に寄りかかって息を整えていると、誰かに衣装の袖を引っ張られた。
龍「ちゃかちゃん、ここ出よう。」
抵抗のつもりで首を横に振ったけど、その振動すら頭に響いて気持ち悪い。ふらっと前に傾きかけた体をしめが支えてくれて、そのまま俺は人の少ない所に連れ出された。
宮「しめ。大丈夫、だから。戻ろ…」
龍「戻んない。俺が疲れちゃったの。だから、一緒にここいて？」
みんななら、大丈夫だよ。
のんびりした声に力が抜けて、俺は思わず両手で顔を覆った。丸まった背中を、ゆっくりとしめの手が擦ってくれる。
龍「何もできなくて、ごめんね。」
心底申し訳なさそうな声を聞きながら、俺は心の中で必死にしめの言葉を否定した。
申し訳なく思うことなんて、全くない。病気も、センターっていうポジションも、リーダーとしての役割も、自分以外の人と分かち合うことなんてできないから。ただ、寄り添おうとしてくれただけで本当に心強かった。
そう伝えたいけど、今は呼吸するだけで精いっぱい。俺はひたすら、その手に甘えることしかできなかった。
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あお - 「次の春へ」のちゃかまちゅ兄弟が気になります！日頃の2人の姿を読んでみたいです！よろしくお願いします！ (2023年1月20日 12時) (
レス) id: 4bc40c5a3e (このIDを非表示/違反報告)
みちゃ(プロフ) - こんばんは！私は、うみげんの「チョコよりあまい」「音のあふれる世界」の続きを1つのお話として読みたいです！ご検討いただけたら嬉しいです♪おさとさんの書かれるお話がどれも大好きなのでこれからも応援してます！ (2023年1月16日 0時) (レス) id: 5dc2b1fc33 (このIDを非表示/違反報告)
tenpesuto(プロフ) - 私はのえんちゅの兄弟設定が好きなので、どのお話も好きなのですがよろしければ傷の続きや、過去のお話が読みたいです。 (2023年1月15日 21時) (レス) id: fc1fa02c30 (このIDを非表示/違反報告)
かおり - 書いていただけると嬉しいです！ (2023年1月15日 20時) (レス) id: b38a957dc4 (このIDを非表示/違反報告)
かおり - こんばんは！とても良い案だと思います！どれもいいのしかなかったのですが、のえんちゅの話をもっと見たい、と言うのがやっぱりあるので、のえるくんの精神的な苦痛(確か９くらいのところの、元太くんとのお話だったと思います)の話で、助けてくれる相手を海人くんで (2023年1月15日 20時) (レス) @page50 id: b38a957dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年12月11日 20時
