寝顔に水【番外編】 ページ5
りょう「おはよー」
一応挨拶はしたものの、まだスタジオには誰もいない。今日もいつも通り10時集合なんだけど、中途半端な時間に目が覚めちゃって、二度寝するにも微妙な時間だったから仕方なくいつもよりゆっくり準備して家を出て、途中パン屋で朝飯も調達した。それでも9時半前には着いてしまったので、まだ誰もいないのは当たり前と言える。
カウチに荷物を置いて、さてコーヒーでも淹れるかと振り返ると……
り「えっ」
Aが撮影スペースのソファーで寝ているのを発見した。
すやすやと心地よさそうな寝息を立てているけど、よく見るとメイクをしたままだし、ブランケットからはみ出た腕や足を見る限り、服も部屋着じゃなくて普通の服だ。
何で仮眠室のベッドを使わなかったのかとか、そもそも昨日撮影があったわけでもないのに何でここに泊まってるのかとか聞きたいこともあるし、どうせあと30分したら集合時間になるので(でも多分としみつは遅れる)、起こして準備させないと。
と、ここまで考えたところでいいことを思いついた。撮影場所がてつやの家じゃなくなってからは全然やってなかったし丁度いい。
俺はコーヒーを後回しにして、適当なコップに水を入れてサブチャンのカメラを回した。
り「えーおはようございます。そう、今ね、朝の9時半なんですよ。知ってる人も多いかもしれませんが、僕ら東海オンエアって基本朝10時集合なんですよね。ただ今日僕はたまたま早く目が覚めちゃって、二度寝するのもなあ〜と思ったんで早めに来たんですよ。そしたらね…」
ここでカメラをAに向ける。
り「我らがAちゃんがソファーで寝とるんですよ！仮眠室もあるのに、わざわざこの、いたずらしやすい撮影スペースのソファーで寝てるんです。これはもうやるしかないでしょう！ということで…」
水を入れたコップをカメラに映る高さに掲げた。
り「寝顔に水、やっていきたいと思いまーす」
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作者名：ゆうやん | 作成日時：2019年10月24日 6時
