緋色の眼 (ページ10)

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そして、目の前で足を止めた。

黒き者「ｲﾉﾁ…ｲﾉﾁを…」

僕は傍にいた生徒を転移魔法で移動させ僕と「黒き者」だけにする。

『黒き者よ…元の場所へ還ろう。
ここに居れば生に捕らわれ続け辛いだろう。。
心配ない共に逝こう』

手を差し伸べると「黒き者」は僕の方を向いた
すると、「黒き者」は手の様な物を僕の手にゆっくりと近付ける。

『大丈夫だ。僕を信じてくれ』

そして、「黒き者」は僕の手を握った。
握られた瞬間。ｼﾞｭﾜｯと火傷をする様な感覚がし始める体温がどんどん下がっていく…

僕は魔力を手に溜め暖かい焔を作る。

『決して死を恐れる事は臆病では無い。
死を受け入れるのは数多くの勇気を使う。。
そんな中、僕の手を自らの意識で握った君は凄いよ…誇っていい。。』

黒き者「ｳｳ、、ｳｳ…」
すると、「黒き者」から涙の様な物が流れ出てそれはとても綺麗な硝子みたいで地面に落ちる度にｶｷﾝｯと音を出している。

『(やはり…君は悲しい者だったのか。。)』
生憎、僕は悲しい者を魔法で倒す趣味は持ち合わせていない。。

命を奪おうとしたのは大罪だがそれは死後誰にも導かれずここにいるのが主な原因だ。

だから僕自身が君を導いて上げよう。

『罪の重さ、命の重さを知った君なら大丈夫。
さあ、この焔と一緒に元の場所に…』

手にある焔を頭上に投げると焔は花火の様に弾け「黒き者」を包み込んだ。

『君の未来に幸あらんことを』
ﾊﾟﾁﾝｯと指を鳴らすと「黒き者」は光と共に消えていった。。

アズール「な、？」
ジェイド「なんと、、、」

その瞬間。僕の体にﾄﾞｯと疲れが覆い被さり手足に鎖を付けられているみたいに重い…

それに直接、魔力を吸われた事もあって体が悲鳴をあげている。

『(一旦何処かで魔力を回復させないと…)』

人間の体は龍よりも脆く弱い。
だから魔力を使い過ぎた時には無理矢理でも休まなければ確実に倒れる…それは避けたい。。

僕は廊下に放り投げた箒を手に取り跨がるが…

ﾄﾞﾀﾝｯ
浮かんだと思った瞬間。
僕の体は床に叩き付けられた。

『魔力切れ…か』
魔力切れ=緊急事態分しか無い事を示す…。
つまり、今バンバン魔法を使うと確実に死ぬ

『全く…人間の体は不便だ……弱すぎる』
ゆっくりと体を動かし立ち上がる。

？？「あ、あの大丈夫ですか？」
すると、誰かが僕に手を伸ばしてきた。

ｽﾝｽﾝ

この匂いは…

『貴様は…』