緋色の眼 (ページ30)

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また何時の日か

僕が人間によって傷付き絶望しても、、

きっと僕の体の中に流れている龍族の血は気持ちとは裏腹に人間をこよなく愛すんだ…。

心はこんなにも人間を憎んでいるのに…

まるで、僕と言う存在が２つあるみたいに、、

人間を愛する事が出来る僕

と

人間を愛せない僕

『僕は…僕は……』
どっちなんだ。今の僕には分からない。

人間を恨んでいる。それは確かだ
でも、ユウを信じたいと思う気持ちもある…

『ﾊｱﾊｱ…』

こんなに情緒が荒ぶるのは何時ぶりだろう、、
胸を苦しいくらい締め付けられ息さえするのだって辛い。。

僕は鏡の間に繋がる鏡に必死に手を伸ばした
すると、目の前が明るくなり僕は鏡の間に戻って来れた…が急に目眩がし出した。

ﾕﾗﾕﾗと視界がぼやけ始め立っている事すら出来ず床にﾍﾟﾀﾘと座り込んでしまう。。

『(駄目だ…もう、、、)』
僕はそのまま気絶してしまった。

ーーー
ーー
ー

?? 「こら！グリム勝手に食べないで!!」
?? 「そんな所に堂々と置いてるのが悪いんだｿﾞ!!!」

騒がしい

静かにしてくれ…
僕は疲れているんだ。。

?? 「にしてもこいつ起きないｿﾞ？」
?? 「きっと疲れてたんだよ。寝かせてあげようよﾅﾃﾞﾅﾃﾞ」

何だろう?
凄く暖かくて優しい

何処か落ち着く様な………

って、、

ｶﾞﾊﾞｯ!!!
僕は体を起こした。

ユウ「わっ!!!」

グリム「ふな!!!」

僕の視線の先にはユウとグリムがいた。

『、、、！』

何故ここにユウが居るのか驚いて言葉が出ずにいると…

ユウ「えっと、おはようございますラズさん」
ユウはﾆｺﾘと笑いかけｶﾁｬｶﾁｬと何か用意し始めた
すると、グリムが僕の顔を覗き混んできた。

グリム「オレ様達に感謝しろだｿﾞ！倒れてたお前を見付けて運んだのはオレ様達なんだからな!」

『倒れた…？』
確かにあれから急に目眩がして…其処から記憶が無い。

と言う事は僕は気絶してしまったみたいだ…

ユウ「鏡の間で倒れてた所をグリムが見つけたんです。流石に放って置けないのでここに連れて来ました」

『…。』

僕が黙っているとユウは優しく話し始めた。

ユウ「これは僕がしたくてしただけなので気にしないで下さい。あ、これ良かったらどうぞ」

ユウは僕の目の前にカップを置いた。
ｸﾝｸﾝと匂いを嗅ぐが毒は入って無さそうだ…

『…これは？』

ユウ「アールグレイです。美味しいですよ」

『……。』