緋色の眼 (ページ29)

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『(羨ましい…とはこの事だな。。)』

僕は空を見上げた。

淡く綺麗な茜色の夕日は静かにサバンナの地面を赤く染めていて何とも綺麗な風景だった。

『…。』
この綺麗な風景は僕には勿体無いくらい美しく
そして、、清らかだった。

それを見た僕は心が痛んだ。
まるで、その清らかな景色が穢れた僕自身に身を染みさせて分からせる様に

この場所に居てはいけない。

見合う存在では無い。

そう、教えているみたいで…
そんなの、、とっくの昔に分かってる。

僕は夕日から背を向け歩こうと一歩踏み出すが…

レオナ「おい、」
獣人に腕を捕まれ足止めされてしまった。

『…離せ僕は忙しいんだ。貴様に構う余裕など…』
僕は即座に腕を振り払おうとすると、、

レオナ「…ありがとな(小声)」
風で消え去りそうなその言葉は僕の耳にしっかりと届いた。

『勘違いするな。僕は僕の使命に従ったまでだ
人間からの礼などいらん』

そう言い腕を振り払うと獣人は笑っていた。
レオナ「ｸ、ﾊﾊﾊﾊﾊﾊw」

何に笑っているのか理解が出来ず固まっていると
レオナ「やっぱりお前、おもしれぇ奴だな」

『????』

レオナ「気に入った。確か…ラズだったか？」

『…それがなんだ』

レオナ「もう俺の名前は呼ばねぇのか？」
名前？
そんなの人間のお前の名前なんか呼ぶ訳無い

『僕が呼ぶと思うか？』

レオナ「さっきまでフルネームで言ってくれたじゃねぇか。レオナ・キングスカラーってな」

ニヤニヤと僕の顔を覗き込む獣人…

『………時間の無駄だ。帰る』
そう言い僕はその場から逃げた。

『(…可笑しい)』

確かにさっきは獣人の名前を言ったがあれは影との区別を付ける為に言っただけだ。。

そう、区別を付ける為…

なのに、、何で貴様はそんなに嬉しそうな顔をしているんだ…

僕は人間を恨んでいる…。

心と体を傷付けられ殺そうと、、此の世から消そうと思ったのに…

何で…何で、、

こんなにも心を締め付けられるんだ…。

まさか同情した、、？

この僕が…獣人に????

いや、違う…

同情何かじゃない。

これはもしかして、、、◯◯？

嘘だ……

嘘だ!!!

だって僕が、、

僕が!!!

人間を愛してるなんて……

『あってたまるか!!!!!!』

心と体、そして龍族としての血が…

僕の体の中でぶつかり合って

僕の中をｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬにしていく……