緋色の眼 (ページ24)

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人間…いや、ユウだったか。。

何故だろう…

あいつには他の人間とは全く違う物を持っている様な気がする。

『不思議な人間だ…』

こんなに長く生きてきた僕でさえ、まだ

「人間」

について知らない事が沢山あるかもしれないな…

少し…少しだけ。
ユウに期待している僕が心の中にいた。

『さて、防衛魔法を張り直しに行くか…』

時間を見れば昼頃で生徒達は食堂で昼食を取っている…防衛魔法を張り直すなら今の内だ。

僕は鏡の間に向かいそれぞれの寮に繋がる鏡に手をかざしていく…

『……ここか』
１つだけ防衛魔法が弱まっている気配がした。

『(あまりこの寮には行きたくなかったが…)
仕方無い…これも仕事だ。』

僕はその寮の鏡をくぐった。

くぐり抜け目の前に広がるのは……

砂漠の様に渇いた地面。

そして、大きな生き物の骨。

『確か…ここはサバナクローだったか…』

匂いを嗅げばあちこちから獣の匂いがする…
獣人が多い寮なのだろうか。。

そして、僕は防衛魔法が弱まっている気配がする方向に足を進めた。

ーー
ー

何故こうなった…

今、僕は獣人3人に囲まれている…。。

獣人「あ”？何だこいつ」
獣人「俺達の縄張りに入るなんざ馬鹿だなw」
獣人「怪我したくなかったらとっとと失せな」

まぁ、不審者に縄張りを荒らされたくないのは僕としても理解出来るが……

あそこに横たわって僕を見ている奴が

特に気に食わない。

『世界の均衡が壊れかけている今、ここも安全とは言えない…故にここの防衛魔法をかけ直しに来た。貴様らの縄張りを荒らす気は毛頭無い』

回りを囲んでいる獣人を避け防衛魔法が弱まっている場所に向かおうとすると、、

ﾄﾞﾛﾄﾞﾛとした気配がし、目を凝らして見れば「黒き者」の様なのが見えた。まだ、此方に気付いてないらしく辺りをｳﾛｳﾛしている。。

獣人「調子乗るな！！」
獣人の1人が僕に向けて風魔法を掛ける

『…全くこれだから獣人は嫌いなんだ』
僕は手で獣人が掛けてきた魔法を弾き返した。
しかし、獣人が大声を出したせいで「黒き者」の様な者が此方に気付き姿を現した。

獣人「な！何だあれ？！」

その姿は獣の様だが黒くﾄﾞﾛﾄﾞﾛとした物が体から溢れて歩いた場所の植物や地面が黒く染まっている。

黒き者「ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ！」
黒き者「ｳｳｳｳｳ！」
黒き者「ﾌｰ!ﾌｰ!」

「黒き者」はやはり場所によって姿や形、そして性格等が違うのか…

『獣人ども下がっていろ』