緋色の眼 (ページ23)

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僕はゆっくりと目を開けると目からは冷たい物が流れていた。

『………。』
久し振りに見たその夢はとても鮮明で忘れていた自身の罪の重さを改めて感じさせた。

ｽﾞｼﾘと心にのし掛かる罪悪感やその他の感情がまた、僕を暴走させようとしている…僕は自分の腕を魔法で切り裂いた。。

ﾎﾟﾀﾎﾟﾀと地面に滴る血を見て少し落ち着いた。
こうして痛みを感じれば少しだけ自分の罪が軽くなる…そんな気がしているからだ。

しかし、あっさりと切り裂いた所は治癒されもう傷痕すら無くなった。

自分の罪の重さを忘れないように傷を残したいが生憎僕の体はどんなに酷い傷でも痕も残らずに治ってしまう…

『…ｸｿ』

僕は体を起こし木から降りると…

ユウ「あ…」

人間が居た。
さっきの夢のせいかとてつもなく嫌な気分だ…

ユウ「あの…だ、大丈夫、、ですか？」
人間は心配そうな顔をして僕に話し掛けた。

『お前には関係ない。それに何故お前がここにいるんだ？』

ユウ「え、と。。心配で…ここに」

心配？
止めてくれどうせ優越感に浸りたいだけだろ？

『言わなかったか？僕に一切関わるなと』

ユウ「知ってた…だけどどうしても

ラズさんが人間を嫌っている様には見えないんです

」

その悲しそうに僕を見る人間の姿は…

あの時のレンにそっくりだった。。

自分勝手だと分かっている…分かっているが、、
どうしてだろうなこの姿だとやはり感情を抑える事が出来なくなる…

『貴様に何が分かるんだ？』

そう。これは八つ当たり…

ユウ「え？」

『僕の事を知らない魔力も無くこの世界の者でも無い貴様が僕の何が分かる？

何度も裏切られ苦しめられてきた僕の気持ちを理解出来るのか？いや、出来ないな。
何故なら経験した事が無いからだ。

違うか？』

人間は黙り込んで下を向いた。

ほら。何も言い返せない…。
やはり口だけなんだな、、お前も…

僕は人間に背を向けて箒を掴むと

ユウ「確かにラズさんが言ってる通り僕は裏切られた事も苦しめられた事も無い…

でも、、

助けたい

そう、思ったんです……。。」

『なら、、』

ユウ「だから！！！

僕は僕が出来ることをしようと思います。」

箒に股がり人間の方を見ると…

只、真っ直ぐ僕を見ていた。。

『………好きにしろ。』

僕は背を向け植物園から出た。
ユウはそれをただ見守っていた、、、、