19 ページ20
僕にとってレンは傍に居てくれなきゃいけない存在なんだ！
そんな小さな希望を絶ち切る様に奴が僕の前に立ちはだかる。
主人 「さぁ、始めようラズ！君の命で僕達を導いてくれ！！！！」
腕を上げ僕にナイフを刺そうとすると…
レン 「おい、止めろ」
『レン？』
さっきまでｸﾞｯﾀﾘしていたレンが奴を睨みながら立っていた。でも僕が驚いたのはそれじゃなくて僕の目の前に居るレンが別人に見えたからだ
レン 「いい加減にしろ。俺はお前のままごとの為にわざわざこんな姿になってんのか？あ？」
主人 「ぁ、ご、ごめん…
兄さん」
奴は涙目になりながらレンの方を向いていた。
『…え？……に、兄さん？』
僕は奴が口にした言葉の意味が理解出来ず混乱しているとレンは奴に近付き胸ぐらを掴んでいた。
レン 「リク。今、お前がラズを殺していたら僕達の願いは一生叶わない…この意味が分かるか？」
その威圧は離れている僕にも伝わるぐらい凄まじいものだった。
リク 「ご、めんな、、さい」
レン 「分かればいい。」
そう言ってレンはリクを突き放した。
すると、今起こった事が無かったかの様にレンは僕に微笑んだ。
その微笑みは僕が見たあの温かい物では無く…
深海の様に冷たい笑みへと変わっていた。。
レン 「大丈夫だよラズ。
君の血も肉も骨も全て俺達が隅々まで余すこと無く使ってあげるﾆｺｯ
俺達の最後の希望だからな。」
き、ぼう？
『どう言う、こと？』
すると、レンは地面に落ちたナイフを拾い自身の腕を切った。
僕は驚愕した。
そこで見たのは、本来流れる筈の赤い血では無くボタボタと地面に滴る真っ黒な血だったからだ…
レン 「俺達は神とやらにも見捨てられた半端もん…いや、禁忌を犯した重罪人だからだ」
悲しそうに下を向くレン…
レン 「俺達はただ母さんを救おうとした…
それだけなのに神とやらは俺達を救うと思いきやこんな呪いを掛けやがった！！
体は時間が経つ程ﾎﾞﾛﾎﾞﾛになり続け…
その痛みに毎日悲痛の叫びをあげた…」
リク 「……」
レン 「だから決めたんだよ。
半端もんの俺達が神をも超える存在になって世界を変えてやろうってな！
その為に俺達は魔法を極め不老不死を目指した…
そこで気付いたんだよ。。
神と同等の存在である龍族を殺しその魔力と魂を俺達の物にすれば俺達は神をも超える存在になれるってな！！
だから…
死ねよ。
俺達の為に」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チロル | 作成日時：2020年6月8日 0時
