緋色の眼 (ページ11)

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僕は手を伸ばしてきた誰かに名前を聞くと

ユウ「え？あ、僕はユウです」

ｽﾝｽﾝともう一度匂いを嗅ぐとやっと分かった

『(生まれながらに魔力の無い只の人間…か)』

この世界では珍しい「魔力を持たない人間」
そんな奴がこの世界に居ると言う事は簡単に言えば死を表しているのと同じだ。。

何故、クロウリーは奴を学園に置いているのか…

そしてもう１つ可笑しい事がある…

僕の鼻が決して間違う筈は無い。。

だって、こいつからは…

『貴様…この世界の者ではないな』

そう。

明らかにこの世界とは違う匂いがしたからだ。

すると、そいつは手を伸ばしたまま曇った顔をした。

ユウ「あ、え、、まぁそうです…」

生憎、僕はこいつの事情は知らないからと言って

甘やかす気も。

人間を許す気も全く無い。

『まぁいい。貴様があの醜い人間だと言う事は分かった。

そこで貴様に忠告をするが…

次からは僕に決して関わるな。理由は簡単だ
貴様ら人間が大嫌いだからだ。分かったな？』

人間は醜い。
自身の欲望の為になら何でもする卑怯極まりない生物だ。

僕だって全部の人間が嫌いな訳ではない…

昔は好きだった。

時には傍に寄り添ってくれ、、
心の傷をも癒してくれた、、

種族は違えど厚く厚く信頼していた…

だが、それを裏切ったのは紛れもない人間だ

だから僕は信じないでは無く人間の欲望が恐ろしくて信じれないのだ。

信じても裏切られるのが目に見えている。

ユウ「え、、、あ！グリム！！」
すると、人間の肩にいる黒い何かが僕に向かって言った。

グリム「やい！お前！失礼だゾ！！」
黒い毛並みに青い炎を纏っている生物…？
いや、違う…生物では無い何かか？

『お前は…獣か？可哀相な奴だ。人間なんかに従えて…愚かだな』

グリム「フナッ！なんだと！！」

僕は膝に付いた汚れを手で払い指を鳴らす。
すると、火の妖精が僕の目の前に集まってきた

『(君達の純粋な炎を僕に少し分けてくれ。
お礼に今度僕の炎を見せよう)』

妖精「(え！良いの？！)」
妖精「(やった！龍族の炎か～どれだけ美しいんだろう…)」
妖精「(ぼ、僕にも見せてね！)」

『(ああ、約束する)』

グリム「あいつ何語を話してるんだゾ？」
ユウ「分かんない…」

すると、炎の妖精が僕の体の周りを飛び始める妖精の鱗粉と共に妖精達の炎が僕の体を暖める

ユウ「うわ！綺麗…」

その光景はとても美しく誰もが視線をこちらに向けた。