海の中にいる鏡面 (ページ48)

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４７話ページ48

キラキラと光る星達。

大きな満月。。

静かになった夜に聞こえる波の音。。

そして、ザクザクと砂浜を歩く僕の姿。。

満月の光に照らされながら後ろを振り返り歩いた後を眺める。

僕の足跡は砂浜に目印のように点々と印を付けていってて、、

小さい僕の足跡は何だか小さくて弱々しくて…

でも、くっきりと残っている。。

まるで、僕の存在をこの場所に残しているみたいに…。

僕はゆっくり海に入る。

ｽﾞﾌﾞｽﾞﾌﾞと

足、、

腰、、

胸、、

と、どんどん海に浸かる。

真っ暗な海は簡単に人を飲み込むみたいに深く

そして冷たい。。

まるで、深海のように…。

僕は人魚の姿になった。

満月の光に反射して見える僕の姿。。
(パーカーを着ているから胸は見えない)

人間の姿とは違う僕の目…

口…

耳…

やっぱり、僕は美しくない…。

僕は海の中に潜る。

やっぱり陸より海の方が早く走れるし何と言っても気持ちいい。。

誰にも見られていないこの自由感が好きだ。

そして、僕は海の中で助走をつけて水面から思いっきり出る。

イルカのように宙に浮く人魚の(強調)僕。。

大きな満月に少しでも近付けた気がするがﾄﾞﾎﾞﾝｯとすぐに海の中に沈む。

楽しい…。
僕は久し振りの海の中で泳ぎまくった。

少し海を楽しんだ後。。

僕は海岸から近い岩に座る。
しっかりと尾びれが岩で傷付かないように足を曲げて…

潮風に当たりながら僕は歌う。

『～♪～♪～♪～』

あの人魚(紅い髪の女の子)より下手だけど…

僕は歌う事が好きだ。

『～♪♪♪～～♪♪～～』

母さん父さん…。

僕が弱いせいで、、守れなくてごめんね。
でも、怖かったんだ。

兄さんも僕が傷付けてしまった。。。

涙が溢れる。。

『～♪♪～～♪♪♪～ｻﾞｸｯ』

ｻﾞｸｯと砂を踏む音が聞こえて後ろを振り返る。
すると、暗闇の中に誰かが居た。

？？「…」

じっと僕を見る知らない誰か…。

？

頭に角がある…。

誰だ？

？？「ここも先客がいたのか…」

知らない人は残念そうにするがその人は僕を見て言った

？？「綺麗な歌声だった…では、」

そして、闇の中に消えていった。

でも、さっき見えた腕の色…

黄緑？だったよな…？？

僕はすぐ自分の部屋に戻った。

その次の朝から満月の夜に海の精霊が現れると噂が流れたのは僕は知らなかった。