海の中にいる鏡面 (ページ5)

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４話ページ5

フロイド「え～そんな事言わないでよ～♪」

『じゃあ本を返して下さい』

フロイド「や～だ♪」

『…』
僕がフロイドを睨んでいると奥からアズールさんが出てきた。

アズール「おや？貴方は司ですね」

『はい。寮長』

アズール「学園長から貴方の部屋の件について話してきました。奥の部屋をご利用下さいﾆｺｯ」

『お手数をお掛けしましたﾍﾟｺﾘ』

アズール「いえいえ、寮長として当然の事をしたまでです。さぁ、部屋に戻りなさい」

『はい。失礼します』
僕が部屋に向かおうと歩き出すと

フロイド「ええ～もっと遊ぼうよ～♪」

フロイドがのし掛かってくる…。身長が高い分重いしあっという間に包み込まれる…

『お、重いです…』

フロイド「っていうか君、司って言うんだね～♪」

『そうですけど…離れて下さい』

フロイド「じゃあ次から司って呼ぶね～♪」

『お好きにどうぞ』

フロイド「ねえねえ司～♪俺の事も名前で呼んでよ～♪」

『嫌です』

フロイド「な～んで？良いじゃん。ねえ、司～」

ユサユサと体を揺らすフロイドさん…。

『分かりましたよ…フロイドさん』

すると、フロイドさんが顔をキラキラさせる

フロイド「名前呼ばれた～♪」

『貴方が言えって言ったでしょう…』
とくかく…もう、僕の腰が持たない。
僕はフロイドさんの拘束からｽﾙﾘと抜け出した。

アズール「おや？フロイドの拘束から抜け出せるとは…」

ジェイド「珍しいですね…」

もう、僕入学してからは静かに過ごしたかったのに…
これじゃあ注目の的だ…。それは回避したい。

『では、失礼します。寮長』
僕はそそくさと部屋に向かった。

『ここが僕の部屋？』

扉の前に立つとそこには…

『壁画がある…』

女の人が書かれた壁画がドアに付いていた。
僕はドアノブを握ろうとすると、、

壁画「君、司ちゃんかしら？」
壁画は絵の中で動いて言葉を発した。

『う、うわぁぁぁあああああああ！！！、』
つい、ビックリし過ぎてしりもちを付いてしまった。

壁画「何、ビックリしてるの。ほんと失礼ね」

『へ、壁画が…しゃ、喋った…』

壁画「もう、私はマーリンよ。学園長から聞いたわ。ここの部屋は大切なお客様様の部屋。
だから貴方以外の人が入らないように私が管理しているの。」

『え、つまり…門番的な？』

壁画「そうよ。」

僕以外の人が入れないって事は…

僕にとって一番、頼もしい事ではないか！！

『えっと、よろしく…お願いします』