海の中にいる鏡面 (ページ30)

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２９話ページ30

リドル「お話し中失礼します。少々聞き捨てならない発言が聞こえたもので…。」

ズカズカと、入ってきたリドルさんは僕に近付いてきた。

僕は反射的に殴られる！と思い身を縮ませるとハラリと何かを羽織られた。
羽織られた物を見るとリドルさんのマントだった。

リドル「少しこれを羽織っていなさい」
リドルさんは優しく微笑みながら僕の頭を撫でてくれる。そのせいでまた涙が溢れてくる。

『ご、め、んな、、さい…ｸﾞｽﾞｯ』

リドル「大丈夫…君は悪くない」
ポンポンと背中を優しく叩いてくれるとリドルさんは兄さんの方を向いた。

リドル「お久し振りです。」

兄さん「久し振りだな。リドル」

リドル「先輩、貴方が先程、仰っていた事ですが…。「お前が魔法を使っていれば」…と言いましたね？」

兄さん「ああ、」

リドル「お話を聞かせて貰った所、司さんとご両親は殺人鬼に襲われた…と。」

兄さん「そうだ！！それなのに！こいつは！」

リドル「落ち着いて下さい。まず、司さんがナイトレイブンカレッジに入る前に魔法を使えていた点ですがそれは立派な法律違反です」

兄さん「は？」

リドル「原則。魔法は扱うのが難しい為、魔法学校で学びます。魔法とはいえ人を殺めるのは簡単です。その為魔法学校があります」

リドル「そして、もう一つ。
魔法で人を殺める事は犯罪です。いくら殺人鬼とは言え魔法で人を殺めるのは立派な犯罪になります。その事をご存じで先程の発言を仰っている…そう言う認識で大丈夫でしょうか？」

兄さん「何が言いたい」

リドル「つまり、貴方が司さんに強いようとした事は全て犯罪です。それをしなかった司さんの判断は正しいと言う事です」

すると、兄さんは青筋を立てながらリドルさんに言う。

兄さん「だから何だよ。お前に人様の家庭事情に口を出す権利があるのか？あ？」

リドル「その様な事を知らずにこの学園を卒業したと考えると…恥ずかしいですね。」

学園長「リドルくん！」

リドル「貴方にはこの学園の卒業生としての価値はありません！早く出て行ってください！」

兄さん「さっきから何だよ。リドル。随分寮長になれたからって調子に乗りやがって！」

兄さんはリドルさんに魔法を使おうとすると、

リドル「首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)！」

兄さんはリドルさんのユニーク魔法により魔法が使えなくなった。

リドル「お引き取りを」
その顔はとても冷たかった…。