海の中にいる鏡面 (ページ23)

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２２話ページ23

『♂としてなら皆から嫌われない…

そう思っていたんだ。

それから僕は♂として生活をしてきた。

友達はすぐ作れた。
その子と話す内に僕は昔の事なんて忘れてた。
それで僕の過去をその子に言ったんだ。

その子は

「決して僕の事実を知っても離れない」って
約束してくれたんだ。

僕は嬉しかった。
それで全部話した。

僕が♂として振る舞っている事…

昔、醜い姿のせいで皆離れていってしまった事…

それを聞いたその子はビックリした顔をして
約束を破って僕の前から消えてしまった…

そこで僕は思ったんだ。

やはり、

この醜い姿のせいで…

僕が♀の魚だから…

友達が目の前から消えてしまう…と。。

僕は泣いたよ。

何で兄さんは綺麗でかっこよくて…皆から人気者でなのに…

何で妹の僕だけがこんな目に合わなければいけないんだって…。

それからすぐ。
兄さんはナイトレイブンカレッジに通う事になった。。

親からは僕にもナイトレイブンカレッジに通う器になれるように色々教育をさせられた。。

とても、辛かった。

何でも兄さんと比べられて…

僕は出来損ないだって実感させられて。。。
回りの魚達にも言われて…

毎日、毎日罵倒の言葉が絶えなかった…
もう、友達が居なくてもいいからただ静かに過ごしたかった。。

だからこの学園生活で少しでも静かに過ごしたかったんだ。でも』

壁画「でも？」

『アズールさん、フロイドさん、ジェイドさん達と話したりしていると怖いんだ。
どうせまた、僕から離れて行ってしまうんじゃないかって…

人魚の人達を信じる事が出来ないんだ。』

壁画「だからあまり魚の姿を見られたく無かったのね」

『うん。僕の姿は醜いから…』

壁画「そう。ありがとう話してくれて。。
心配しないで。ここは私達以外誰もいない。。

吐き出していいのよ。司ちゃん」

僕はそのマーリンの言葉で何かがﾌﾟﾁﾝｯと切れた音が聞こえた。
すると、目から涙がﾎﾞﾛﾎﾞﾛと流れた。

『え、ｸﾞｽﾞｯ…な、んでﾎﾞﾛﾎﾞﾛ』

壁画「苦しかったね。辛かったね。いいのよ
全部ここで吐き出しなさい。

私は貴方を抱き締める事は出来ないけど…

傍にいる事は出来る。。

私は司ちゃんの傍にいるわ」

『うわああああああああああ！！』

僕は大声で泣いた。

初めてだった。

大声で泣いたのは。。

マーリンは僕が泣き終わるまでずっと傍にいてくれた。