家なき子 ページ3
待ってましたとばかりに私はおじさんに話し始めた。
もう、自分の両親が破天荒だとか今どき実家で親のスネ齧ってたやばい女だとかどう思われてもいい。
ただ第三者に愚痴ってスッキリしたかった。
一通り話し終えて、残りのアイスコーヒーを一気に啜ると中の氷がカランと音を立てる。
？？「なるほど…それは大変でしたね」
「もうどうしようかなって…このままだとほんとにホームレスになっちゃいますねー」
ははは、と笑って見せたけど笑ったのは私だけだった。
実際笑える状況じゃない。
結構真面目にヤバイ。
おじさんはしばし黙り込んでから、私の空になったグラスを下げた。
そして突然脈絡のない質問をした。
？？「お姉さん、何かのオタクだったりしませんか？」
急に何を言い出すかと思えば。
「オタク？オタクって…アニメオタクとかそういう…アレですか？」
？？「そうです、そのオタクです」
「えーと…かなりプライベートな話だと思うんですけど、何で急に？」
確かに愚痴りはしたけど別にこのおじさんとお近づきになりたいとかそういう気持ちは微塵もない。
相談から始まる恋とかあるけど私は今おじさんと恋愛している場合ではないのだ。
そもそもぽっちゃりはタイプじゃない。
？？「いいから、どうなんです？オタクですか？」
「あ、えーと…まぁ、はい」
あまりの気迫に気圧されて頷くとおじさんはどこかに電話をかけ始めた。
？？「…そう、確か空きあったよね？うん、大丈夫…条件はクリアしているよ…うん、分かった」
通話を終えるとおじさんは最初に出迎えてくれた時の柔らかい笑顔を私に向けた。
？？「お姉さん、よかったらシェアハウスしませんか？」
「え！おじさんと！？無理！！」
あ。やべ。
つい心の声が漏れた。
キョトンとしたおじさんが笑って手を振る。
？？「違う違う、私の貸している中でなかなか埋まらない物件が1つあってね」
？？「少し入居資格が特殊な事もあって…もしお姉さんさえよければだけど」
思いがけない提案に目の前が明るくなる。
神なの？
おじさんの背後から後光が差して見えた。
「シェアハウスでもなんでも！住まわせて下さい！！入居資格ってのは！？」
？？「まぁまぁ落ち着いて。そこはクリアしてるから」
クリア？
親が破天荒って事だろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1010人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピョル☆(プロフ) - 優里さん» ありがとうございます💕コメント励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです😌💜 (2021年12月9日 0時) (
レス) id: 49ff88afc5 (このIDを非表示/違反報告)
優里(プロフ) - 初めまして。すごく面白くて更新楽しみにしてます！こんな素晴らしい作品初めてです！応援してます！ (2021年12月8日 14時) (レス) id: 72a635a728 (このIDを非表示/違反報告)
ピョル☆(プロフ) - きーさん» こちらのミスで続編が出てますが次の更新のタイミングでパス外すのでもう少々お待ち下さい😌 (2021年12月8日 1時) (レス) id: 49ff88afc5 (このIDを非表示/違反報告)
きー - 続きが見たいんですが、どうすれば見れますか⁈ (2021年12月8日 1時) (レス) id: 235a2ef37a (このIDを非表示/違反報告)
ピョル☆(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます💜これからも楽しんでいただけると嬉しいです💕 (2021年12月8日 0時) (レス) id: 49ff88afc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピョル☆ | 作成日時：2021年11月23日 13時
