こんな俺らでも。 (ページ3)

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Prologue_vol.3 ページ3

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紫「ってな感じ。」

黄「そっか」

紫「ま、俺はもうすぐ退院だからあと少しの付き合いだろうけどな」

黄「てか、なんで動かねぇ方がいいぞって言ったんだよ」

紫「あーそれ？それは俺も動きたくて無理に動いたから。そしたらさー、傷口開いちゃって。まじで痛かったからさ。笑」

黄「じゃあ大人しくしとくわ。笑」

俺は膝下、ふっかは膝上の切断だから残ってる長さは違うけど、同じ境遇っていうのかな。

だからすぐに意気投合した。

夕方頃。

病室のドアが開いた。

？「頼まれてた漫画買ってきてやったぞ〜」

紫「おうさんきゅー、あ、俺一人部屋じゃなくなったんだわ。」

？「まじ？わり」

紫「でも俺らの一個下だしもう仲良くなったから平気だと思うけど。」

いや、勝手に何言ってんだあいつは。

青「俺、渡辺翔太。ふっかの友達。よろしくな」

急に挨拶されたよなんだこいつら…

黄「岩本照です、よろしく。」

渡辺ってやつの左手が俺の目の前に差し出された。

握手か。

仕方なく、そいつの手を握った…

黄「えっ？」

青「びっくりした？」

そう言ってそいつは袖をまくった。

今度は義手。

紫「お前そのネタいつまでやんだよ」

青「仕方ねぇだろ、元々左利きだし出ちゃうんだよ」

紫「あ、翔太は小学生の頃の入院友達で同じ骨肉腫だったんだ。」

・

渡辺翔太、22歳。

ふっかと同じ時期に骨肉腫で入院してた。

俺はふっかより治りが悪くて入院期間も長かった。

なかなか小さくならない腫瘍をみて医者から切断した方がいいだろうと告げられた。

だからもう自分の左腕がなくなってから10年は経ってる。

黄「世の中色々あんだな。」

青「まぁな。」

紫「そういえばお前の幼馴染なんだっけ、元気？」

青「あぁ、涼太？ふっか最後に会ったのいつだっけ」

紫「大学の入学式かな」

青「そっか。入学式から俺らもこんなに喋ることなかったもんな。

ふっかってさ…涼太のこと、どこまで知ってる？」

紫「どこまでって…？」

青「2年の時、大怪我したのは…？」

紫「はぁ！？聞いてねぇよ」

青「やっぱり？」

紫「で、怪我っていうのは…？」

青「話すね。

照もなんのこっちゃわかんねぇと思うし。」