【そらる】彼 氏 に 惚 れ ら れ ま し た｡

惚 れ た 1 ページ3

「Aってさ、かわいい、よな…？」




・

『ええぇっ』


彼方がいつも言わない珍しい言葉を放つようになったのは、つい最近。


いつも眠そうにして、実はそういうこと考えてたのか…。



変態、ですね｡





(けど、少し…嬉しかったり……)




『なっ、に言い出すの!?いつもそんな事考えてるなんて、変態!』




ほら、また。

素直になれないのが、弱点。




好きなのに嫌い。

なんだか、天の邪鬼みたいじゃない。




彼方は私の心を見透かしたように、


「素直になれよ」

『ほんとの事だもん』


あ、しまった……

思ってもないことをいってしまうのが、私の口なのか。



「ん、じゃあ別れるか」


……え!?



そっそれは嫌だ!

彼方のこと好きだし、それに、それに……




『あっそ、じゃあね』



何やってんの、私ー!




ああ、どうしよ、どうしよ!

どうすれば戻ってきてくれるー!?





素直になれ!私!!




『待って!』


私は彼方の服の裾をつまむと、彼方に体をくっつけた。


『ホントに別れること、ないじゃない……』



すると彼方は普段見せないような笑顔で頭を撫でてきた。




「ヤバイ、俺、Aに惚れたかも……」



え、



また、彼氏に、惚れられました。

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