茶色い瞳 ー櫻井side ページ7
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「…A、ちゃんと聞いとけよ。
…俺な、お前が兄貴と出会う前に
『二宮和也』に会った事があるんだ。」
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大学４回生の６月。
俺は教員の夢を叶える為、
２週間、母校での教育実習を受けた。
その年の教育実習は
俺と黒田という高校の同級生の２名のみ。
お互い見慣れないスーツ姿と
いかにも染めたての真っ黒な髪の毛に
気恥ずかしさを覚えながら
慣れない毎日に悪戦苦闘していた。
俺の社会科担当は２年生の担任という事で
自然にそのクラスを受け持ったが
特に目立つ生徒も居らず、
勉強も真面目で素直な子が多かった。
男子高なので当たり前だが
教室見渡しても全員が男という
かなりのむさ苦しさはあったものの
雰囲気やノリも良く、快く受け入れてもらえ
まだ半人前の俺にも「櫻井先生」と
呼んでもらえる事に少しだけ浮かれてもいた。
教育実習が始まって１週間が経ち、
そろそろ折り返し地点になった時
俺は昼休みにクラスの生徒数人を誘って
運動場でサッカーをして交流を深める。
「…櫻井先生、パスっ！！」
「お前ら！…さっきから
俺にばっか回してくんなよ！(笑)」
「先生、言い出しっぺじゃん！」
さすが現役の高校生。
体力も桁違いに有り余っており、
まだ２１歳の俺でも付いていくのがやっとだ。
日頃の運動不足がたたったのか
ボールを取り合う際、生徒の足につまづき
２人で派手に転んでしまった。
「大丈夫か！？」
急いで起き上がり、倒れた生徒に駆け寄る。
「これくらい何とも無いって！
…先生こそ大丈夫？
左膝、穴空いてるよ(笑)」
生徒に手を差し出し、起き上がらせる時に
左膝に違和感を感じていたが
指摘されるまで全く気づかずにいた。
ジャージに着替えていたものの
少し痛みの感じる左足の裾を捲り上げると
膝に擦り傷と僅かな血が垂れている。
「…悪りぃけど、保健室行ってくるわ。(笑)」
先生、張り切り過ぎなんだよ！(笑)
付いて行こっか？などと騒ぐ生徒達を尻目に
笑顔で足を引きずりながらその場から離れた。
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ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
