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男女共に関係無く彼女に近付き、
悲しみを煽る人間は全て排除し、
Aを縛り付ける様に隣に置いておく事で
不安が消え、心が満たされる感覚。
オレの真っ黒な心には
「依存」と「独占欲」という醜い感情が
とぐろを巻いて居座り続けた。
でも、これが間違っている事だと認識するのは
Aが本当の「独りぼっち」になって
数ヶ月後の事。
オレらが２０歳になる年に
まだ未成年だったAの後見人の
伯母ちゃん夫婦が火災で亡くなってしまった。
葬儀などは伯父ちゃん側で仕切ってくれ、
その帰り道、無表情のままの黙った彼女と
突然の夕立に打たれながら歩いていた。
冷たい雨がオレ達に降り注ぎ、
別れを意味する真っ黒の服を濡らし続ける。
『…ねぇ、カズ。』
隣で歩いていたAが急に立ち止まり、
オレを呼び止める。
「ん…？」
ぐっしょりと濡れた彼女の顔は
雨粒なのか涙なのか分からない水滴を
ポタポタと零しながら、色を無くした瞳で
真っ直ぐ前を見つめていた。
『…人って、何の為に産まれてくるんだろうね。』
「………………。」
『…こんな辛い思いし続けるなら、
死んだ方が、マシだよ…』
Aの悲痛な言葉に、何も答えられなかった。
親父に殴られ、それでも家計を支え
自分の心を押し潰し続けていたあの頃のオレと
同じ瞳をしているAが
苦しくなるくらい似ていたから。
絶望の淵に立ち、今にも消えてしまいそうな
彼女にゆっくり歩み寄り、そっと抱き締める。
『私「独りぼっち」に、なっちゃった…』
そう言ってAはオレの胸で堰を切った様に
声を押し殺して泣いた。
それから、食べる事も寝る事も
ままならないぐらい憔悴し切ったAの代わりに
代理人として全ての手続きを引き受けた。
彼女の為だと思ったら朝飯前だったけど、
オレはずっとAの心情を考えてた。
…もし、全てが嫌になってこの世から消えたい、
人生を終わらせたい、と言うなら
オレは直ぐにでもAの手を引き、
一緒に自分の人生も終わらせても良い。
彼女が死にたいと願うなら、一緒に死ぬ
Aの居ない人生はあり得ない
子供の頃の愛情不足というのは
極端な考えを生み出し、
身体は成長しても心ではいつまでも愛情を求め、
人に依存する事で自分自身を保たせていく。
Aが隣から居なくなるなんて
全く考えられず、それが当たり前だと思ってた。
そのぐらい強い決意を固めていたんだ。
でも…Aは違った。
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ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
