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捲し立てる様に必死に話す真由に
私には少し鬱陶しさを感じた。
大事な兄を侮辱された気分になる。
『…信じないよ、そんな作り話。
…いくら真由でも怒るよ？』
「ねぇ、A…
アイツはAが思ってる程
良い人間じゃないんだよ？目、覚ましなって。
自分の父親、殺す様な奴なんだよ！？」
その瞬間、私の中の何がプツンと
音を立てて切れた。
ここ数日の出来事で私のキャパシティは
限界に達していたみたいだ。
『…いい加減にしてよ…
そんな有りもしない話、
信じないって言ってるでしょ！？
私が見てきたカズは
そんな事する人間じゃない！
それだけは分かる！
…カズの事…馬鹿にしないでよ！！』
そう勢い良く叫び、電話を切った。
相当力が入っていたのか
肩で息をし、心臓が激しく鼓動する。
信じない。絶対に信じない。
カズは人倫に背く様な事をする訳無い。
ずっと傍に居たからこそ分かっている。
…でも、それが本当の話だったら？
全く信じてなんかいないけど、
それが私と出会う前の話だとしたら？
昔の事を頑なに話さない。
いや、…話せる訳が無い。
だって、殺した相手がカズの父親という事は
私達親子を不幸に陥れたあの憎い男で
私を「独りぼっち」にした張本人。
カズと私の「父親」なんだ。
…カズはそれを私に知られたくないから
何も話してくれなかったの？
そんな事があったのに私と一緒に居たの？
でも、どうして？
何の為にずっと私の傍に居てくれてたの？
真由だって嘘を付く様な子では
無い事も分かっていた。
困っている人を助けたい。力になりたい。
そんな正義感溢れる真面目な性格だから
看護師という道を目指したのも知っている。
だからこそ、私の為を思って忠告してくれた事も…。
少しずつ自分の今までの出来事が
同じ答えに繋がっていく事に猛烈に不安になった。
こんな話、嘘であって欲しい。
カズの昔に何があったの？
誰か本当の事を教えて…
その時、スマホにLINEが届いた。
櫻井:電話終わったか？
そろそろ寝るけど、Aも早めに休めよ。
兄貴の事は気になるだろうけど、
仲直り出来るようにまた一緒に考えよう。
おやすみ。
そのメッセージを見て
胸がギュッと苦しくなり、咄嗟に電話を掛けた。
…助けて。
櫻井さん、助けて。
そんな藁にもすがる思いだった。
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ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
