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「えぇっ！？…家に居らんのやったら、
客んとこちゃうんかな…？」
『…っ、それは無いと思う。』
何故ならカズはお客さんと外で会っている時は
一切、携帯を触らない。
だから返信が遅くなったりした事を
はっきりと覚えていた。
そして先程の電話の向こう側からは
カズの声しか聞こえて来なかったのも。
多分、１人で何処かの室内に
居るんじゃないか…と。
お互い沈黙が少し流れた後に
裕くんは１つヒントをくれた。
「…あっ！
そういえば昨日の営業終わり、
これから店残って
後輩の相談事聞くんでって言うたから、
あいつに店の鍵、預けてんねやった…」
『…分かったっ！裕くん、ありがとう！』
「…ちょっ！Aっ！？」
カズの居場所の検討が付くと
裕くんとの電話をぶった切り、
櫻井さんの手を引っ張りながら部屋を出て
急いでエレベーターに乗り込む。
「居場所、分かった？」
『多分、カズの店だと思う。
…でも、そこじゃないとしたら
もう私じゃ分かんないし、絶対間に合わない…』
趣味がゲームという
引きこもりがちなカズの事だから
たまにアフターをしたとしても、
ほぼ毎日家と店の往復くらいしかしない筈。
お客さんとも一緒に居ないのであれば
後は店しか無い。
もうそこに賭けるしか、手立ては無かった。
「つか、お前大丈夫かよ？
さっき倒『大丈夫。ただの立ちくらみだから。』
心配そうな顔をする櫻井さんを見上げ、
揺るがない強い意志をぶつける。
『今もずっと、１人で私の事を待ってるの。
…どんな事も全て受け入れてくれたカズの
最初で最後かもしれない我が儘、
ちゃんと叶えてあげなくちゃ。』
そう伝えると同時に
地上に辿り着いたエレベーターのドアが開き、
勢い良く外へ飛び出す。
『もう間に合わないから、走るよ！』
後ろの櫻井さんに振り向きながら言うと、
….ちゃんと、道案内しろよ！と
私の手を強く引き、一緒に走り出した。
カズのマンションから店までは
さほど遠くない距離だが、
久々の全力疾走に直ぐに息が上がる。
…苦しい。
でも、カズが抱えている苦しみに比べたら
こんな事で立ち止まっちゃいけない。
１秒でも早くカズの所に行かなきゃ。
私の手を引き、先を走る櫻井さんを見て
こんな状況にも関わらず私は不意に思った。
…このまま櫻井さんが
明るい未来へ連れてってくれる気がする、と。
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ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
