. ページ25
.
私の手料理を全て完食してくれた櫻井さんは
本当にありがとう。マジで美味しかった！
これ、毎日食えたら幸せだよな…(笑)と、
満足そうで素敵な笑顔を見せてくれた。
料理しか自慢出来る所が無い私からすると
身に余るくらいの褒め言葉で
好きな人の喜ぶ顔が見れてとても嬉しかったのと
少し気恥ずかしかった。
…ご馳走とまではいかないかもだけど、
ちゃんとお祝い出来たかな？
良いお誕生日になったかな？と考えている間に
櫻井さんが空いた食器達をテキパキと
キッチンに運んでくれている。
『っ、いいよ！私がやるから！』
「主役だからって何もしない訳にはいかねーよ(笑)
俺の我が儘、聞いてくれたお礼だと思っとけ。」
『ありがとう。(笑)
じゃあ、このまま洗い物やっちゃおっかな？』
そのままキッチンに２人横並びで立つ。
私はシンクで洗い物、櫻井さんは換気扇の下で
焼酎の入ったグラスを片手に
食後の一服をしていると煙草を咥えて
目に入ってくる煙に顔をしかめながら
質問してきた。
「…Aは、俺のどこが好きなの？」
色気が溢れ出ているその姿と
いきなりの問いかけに動揺して、
洗っていたお皿を落としそうになりつつ
単刀直入に答えた。
『…………全部。』
「ブッ！！」
『ちょっと！(笑)吹き出さないでよ！』
私の回答が予想外だったのか
口に含んでいた焼酎を勢い良く吹き出し、
涙目になりながらゴホゴホと咳き込むので
慌ててキッチンの収納棚から
綺麗に畳んで置いてある手拭きタオルを渡した。
台拭きでコンロ周りを拭いていると
櫻井さんが笑う。
「…Aは、相変わらずだな(笑)
もっと細かく言ってくれるかと思ったけど、
お前らしいよ。(笑)」
『…だって、どれが一番とか決めらんないもん。
中身も全部そうだし
私に見せてくれる表情も
スーツ姿もこの前みたいなスウェット姿も
今、煙草挟んでるその指だって…
櫻井さんの存在全てが好きなの。』
そう顔を真っ赤にして話す私の横で
短くなった煙草を押し付けて櫻井さんは呟く。
「…そっか。(笑)
でも、俺はそんな良い男じゃねーよ…」
思わず彼に顔を向けると
腕を組んで少し切なそうに
何かと葛藤している様な固い表情をしていた。
今日の櫻井さん、なんか変…
そんな小さな違和感を感じ、
声を掛けようとしたその時。
２人の間に置いていた
私のスマホが、突然鳴り出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
