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「…でもな？そんな過去があっても、
Aの傍に居た兄貴って本当にスゲェよ。
どんな苦しい運命だったにしろ、それだけ…
お前から離れたくなかったんじゃねーの？」
『……っ、…』
櫻井さんの言葉に胸がつまる。
止めどなく流れ続ける涙を両手で受け止めた。
「俺は兄貴じゃねーから本心は分かんねぇけど…
もう悲しませない様に、
寂しい思いさせない様にって
傍に居て支えてくれてた気持ちには
嘘は無いと思う。
…こんな悲しい過去だったけど、
兄貴に対するお前の気持ちは
前と変わってねーんだろ？」
『……う、んっ。』
…どんな事があっても私にとって、
カズはカズのままで大切なお兄ちゃん。
それは絶対に揺るがない。
「…だろうな(笑)
だったら、お前らは大丈夫。何も心配すんな。」
何の根拠があって言うのかは分からなかったが、
私の頭をポンポンと優しく叩く櫻井さんに
素直に頷き、手で涙を拭った。
そして、私は身体を起こし疑問を１つ投げかけた。
『…カズの昔の事を聞いてくれたのって、
いつ…？』
「初めてAん家来て、まもだから…
１週間以上前…かな？」
『…なんで、ずっと黙ってたの？』
「別に隠してた訳じゃねーよ。
あの居酒屋で飯食った時だって
俺の知ってる限りの部分だけでも話そうと
思ったけど、タイミング逃しちまったし…
けど、この件はAと兄貴の問題で
俺があれこれするのも違うって気付いた。」
『………………。』
「お前を信じてたから、
俺は見守る事にしたんだよ。
Aが今まで培ってきた力で
この先の未来を切り開いて行くんだって。
…もちろん、兄貴の分もな。」
裕くんに言われた言葉を思い出した。
《Aが助けたってくれへん？》
…そうだった。
櫻井さんも裕くんも心配しながらも
私達を信じて見守っていてくれてる。
心強い味方が私達には居るんだ。
至近距離の櫻井さんの顔を真っ直ぐに見つめる。
『私の事も、ずっと前からカズの事も
信じてくれてて…ありがとう。』
「…お前らは何か、
ほっとけねーんだよな。(笑)
…ほら、いつもみたいに笑え。」
櫻井さんの右手が私の左頬を包むと
親指で左の口角を優しく上げる。
手の温もりが
彼の私達へ対する大きな包容力に感じ、
感謝と愛おしい思いを込めて
ふんわりと笑顔を返した。
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ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
