兄の過去 ページ1
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『…グラタンに、オムライス。
…味覚が子供だね(笑)』
「うるせーな。(笑)Aが聞いてきたんだろ？
正直に答えたら答えたで馬鹿にしやがって…」
『とりあえず、分かった(笑)
…じゃあ、洋風系で考えとくね。』
私のひと時の幸せな時間。
櫻井さんとの電話に心癒される。
お誕生日に作るメニューを考えていて、
せっかくだし大好物を食べさせたかったが
返って来た回答は
全て子供が好きそうな物ばかりで
思わず笑ってしまった。
「おう。楽しみにしとく。(笑)
…はぁ。
１週間って早ぇーよな。
もうセンター試験、明日だぜ？」
『そうだねぇ…。
櫻井さんの生徒達、緊張してるだろうね。』
「もうさ、休み時間なる度に
ここの問題って出ると思う？
どこの範囲覚えればいい？って聞きに来んの。
…試験問題作ってんの、俺じゃねーから！
分かる訳ねーっつーの。(笑)』
『ンフフ(笑)
それだけ頼りにされてるって事じゃん。』
「そうなのかもしんねーけど…。」
『…どうしたの？』
「…多分、今も皆不安でいっぱいだろうな…」
学校から離れても優しく生徒達の心に寄り添う
先生としての声に温かさを感じる。
こんな身も心も素敵な先生に
心配してもらえるなんて
生徒達は幸せモノだよ。
ちょっとだけ羨ましい気持ちになっていると、
櫻井さんがついこの間の事を聞いてきた。
「…そう言えば、ちゃんと兄貴と話せたか？」
心配そうにする櫻井さんには
まだ何も報告して無かった。
心配してくれてたし、
ちゃんと言わなきゃ…と思ったが
あの時のカズの悲しそうな顔が頭を過る。
『……話せるも何も、
…前より良くない状況かも。』
「何があったんだよ？」
私はあの時の情景を思い浮かべながら
櫻井さんに話した。
連絡が取れなかったのは
カズのお母さんが亡くなったから。
私のせいで気を遣い、連絡を無視したと。
そして泣いたカズから言われた最後の言葉。
ーー…もうさ、嫌なんだよ。Aのお守りするの。
……オレにはオレの人生がある。
『お兄ちゃん』はもう…Aには必要無い。
本心では無いかもしれないその言葉を
櫻井さんに伝えている間も
胸がグッと苦しくなって、少し鼻がツンとした。
…カズはどんな気持ちで言ったの？
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ゆき(プロフ) - コメ返ありがとうございます。本当に大好きな作品です。実は私のお誕生日に櫻井さんのお誕生日のお話だったので、とっても感激してたんです。またシリアスな展開になって大変かと思いますが、更新を楽しみにしてますね。主人公ちゃんがんばってほしいです。 (2019年3月14日 11時) (
レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
サフィア(プロフ) - ついこの間この小説の存在をしって一気に読みきっちゃいましたっ。すごく大好きになりましたし、文章とっても大好きです。更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 34b00c4705 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - さっくさん、更新をいつも楽しみに読ませて頂いています。というか好きすぎて何度も読み返してます。櫻井さんと主人公の関係にキュンキュンドキドキしながら、時に切なくて涙無しには読めません。これからも更新を楽しみにしてますね。 (2019年3月4日 14時) (レス) id: d68d4105ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく | 作成日時：2019年2月25日 18時
