一生に一度の恋 (ページ27)

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もしかしたら、次は無いかもしれない。

この世界に興味が無かったのなら
もう二度と会えないかもしれない。

…そんなの絶対に嫌だ。

何かしら櫻井さんの頭の中に
『私』を残したい。

こんなに私は欲深い女だったと幻滅する反面、
勇気を出して打ち当たる事にした。

回りくどい事は面倒くさい。
だって、時間は一刻一刻と
タイムリミットに近付くから。

意を決して
手元の煙草を近くの灰皿に押し付け、
櫻井さんに顔を少しだけ近付けて
物欲しそうに見つめる。

『……確かめてみます？
風俗嬢の本気の接客。』

瞼をトロンと控えめに開き、
顎を引いて上目遣い。

でも瞳はしっかりと彼を捉え、
黒いミニワンピースから
伸びる白い太腿を妖艶に組んでみる。

櫻井さんは大人の余裕な顔をして
ソファーの背もたれに肘を置き、
指元は唇に添えている。

首を少し傾け、瞳はしっかりと私を見つめて
片唇だけ上げるニヒルな笑顔で答える。

「…誘い文句が勝気なのもいいねぇ(笑)

上等だよ。
Aの全部、受け止めてやる。」

「A」

自分の本名を低い響く様な声で囁かれて
私の理性と言うストッパーは
いとも簡単に外れた。

ギシッとソファーが音を立てる。

櫻井さんの太腿の横に膝を付き、上に跨って
彼を見降ろしながら
黒いミニワンピースを下から上へと
ゆっくり脱いだ。

ワンピースと同じ
黒いレースの下着が露わになる。

背もたれに置かれていた櫻井さんの腕を取り、
ずっと触れたかった綺麗な手を
自分の顔にするっと持っていく。

彼と同じ様に片唇を上げ、
妖艶に微笑んでみる。

『…時間、無くなっちゃいますよ？』

そう言った瞬間、

彼の喉仏が上下に動いて
ゴクッと音がしたかと思った矢先
顔の近くにあった手が自分の首の後ろに回り、
グッと力強く引き寄せられる。

鼻が触れそうなくらいの至近距離。

「…忘れられねぇ様にしてやるよ。」

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