一生に一度の恋 (ページ16)

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運命の日ページ16

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クリスマスも終わり、
いよいよ忘年会シーズン到来。

お店も女の子はいつもの倍以上の人数で
待機場所もごった返して
ひっきりなしに出入りしている。

来店するお客さんの他にも
予約や店の場所の問い合わせの電話も多い為、
男性スタッフもいつもより多めで
気合い十分。

そんな中、私も常連さんからの
予約を丸ちゃんと段取りを組んだり、
新規のお客さんに付いたり
バタバタと過ごしていた。

さすが繁盛期。
メイクも直す暇も無ければ
水分補給も気を抜くとままならない。
いくら寒い時期でも
お客さんと風呂に入ると汗は出るし、
プレイも体力を使う。

僅かな休憩タイムで
体力回復と精神的リセットをする。

「明奈嬢っ！しっごとやで～♪
ご新規様、９０分コース！」

出勤してから立て続けの仕事と
シャッとカーテンをいきなり開けられた事に
すこーしだけ怪訝そうな顔をすると、

「っ、ごっ…ごめん。
…明奈ちゃん、疲れてるやんな？
コレ終わったら少し休憩入れよか？
しんどかったら無理せずちゃんと言うてな？」
と、焦った顔をして丸ちゃんが
優しく気遣ってくれる。

そんな姿を見て
『…ちょっと疲れたかな？
今のお客さん終わったら３０分休憩欲しいかも。
お腹も空いたし、腹ごしらえしたら
またバンバンお仕事付けて？』

素直に少し笑ってお願いする。

それを見た丸ちゃんは
頭もげるんじゃないか、ってくらい
ブンブン上下に頭を振り、
「もちのロンっ！
お任せくださいませ～！」と
親指を上に突き上げ、グッとする。

身支度を軽く整えて、待機場所から出る。

事務所の机に居る丸ちゃんから
ホテルの部屋番の書かれた
ポストイットを受け取り、背中を向けたまま言う。

『……オムライスとミルクティー。』

私の言葉を理解したのか、

「…イエッサーっっ！！
出来立てホヤホヤでご用意致しますっ！
明奈嬢っ、いってらっしゃいやせっ！」

丸ちゃんの声に少し吹き出しつつ、
待っているお客さんの元へと
歩き出した。

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これが貴方と出会う日だとは
微塵も想像が付かなかった。

初めて会った時
貴方はどう思ったの？

何を感じた？

人に言えない仕事をして
暗い影の世界に生きる私が
こんなに人を好きになるなんて
初めてだったの。

それが私の人生、唯一の

一生に一度だけの恋。

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