居眠り常習犯 ((大倉 ページ4
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「…大倉くん！！ちょっと佐藤さん、大倉くんのこと起こしてあげて。」
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教室の端。窓際の一番後ろに座るきみの隣。
私はこうやってきみを眠りから起こす係りをやらされるようになってそろそろ1ヶ月。
「ちょっと、大倉。起きてよ。」
心では嬉しいと感じているけど
大「…んんっ、なに、、どうしたん凛ちゃん。」
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きみが眠りから覚めて一番最初に見るのは、いつも
担任の田中先生で。
田「なに、じゃないでしょ？ はい。この問題大倉くん解いてね。」
大「…はーい。」
さも興味無さげに、席を立つきみは
田中先生に出された数学の問題をスラスラと解いていく。
田「…ん。よくできました。もう寝てないでノートとってよ？」
大「…ふふ。はぁい。」
そう言ってみせる笑顔も、私が知る限りは田中先生にだけ。
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大「ふぁ…もっかい寝よう…っと。」
戻ってきた途端、机に突っ伏すのはきみの習性。
時々盗み見るキミの寝顔。
自分がモテると自覚のないキミは
クラスの連中にもその寝顔を晒す。
だけど、隣の私だけが許される
きみを起こすという係りは
私だけにしか務まらないと信じたいのは
大「…さとう。」
って、寝ているはずのきみのくちびるが
そう動くから。
…そのたびに私の心は簡単に捕まれて
ちょっとだけ
きみのその真っ白な肌に触れてみたくなる。
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大「…ふふ。寝込み襲うなんて、最低。」
「…！」
急に開いた目に、ビックリした顔の私がうつり込んで
きみの頬に触れていた、私の左手の人差し指は
反射的に離れてしまった。
大「…さとう。」
起きているきみに、そう呼ばれるのは心臓に悪い。
「…なに？」
戸惑う心を隠しながら
コソっと返事をすれば
ふふ、とからかうように
私の目をジッと見つめて微笑んで
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「いつも、起こしてくれてありがとう。」
ほらまた、私の心を奪い去る。
隣の席の、きみ。
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続く
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作者名：ゆん。 | 作成日時：2017年3月28日 1時
